看護師のリーダーの役割としては、一般的には、業務を振り分ける「仕切り役」、他病棟・他職種との「橋渡し役」、メンバーが困ったときの「サポート役」が求められますが、そもそも、リーダーシップとは何かを確認することも大切かと思います。
というのも、リーダーシップとマネジメントは、どちらも企業や組織の目標達成に欠かせない要素ですが、注力するポイントや役割が異なるからです。よって、リーダーシップとは何か、を定義しておくことは、看護リーダーにかかわらず、主任にとっても、師長にとっても大切なことでしょう。
マネジメントが、「目標達成のための計画や進捗管理、リソースの配分などを行い、組織を運営・維持する」なら、リーダーシップは、「チームを率いて、ビジョンや行動指針を浸透させ、メンバーを導く」ことでしょうか。もっと簡潔に言えば、マネジメントは「「How(どうやって)」を問う」ことであって、リーダーシップは「「What(何を)」を問う」ことです。どちらも大切ですが、わたしは、リーダーシップで目指す山の選択を間違えたら、いくらマネジメントをしても無駄になりますから、リーダーシップは慎重に見極めながら磨いていく必要があると思うのです。
で、いわゆるリーダーシップ研究のテキストによれば、リーダーシップとは、1920年代以前は「チームを支配するためにコントロールや権威が強調」されて、1930年代には「リーダーシップを発揮する人の特性に注目」されました。さらに、1940〜50年代には「グループ活動を方向づけるリーダーの行動に焦点」が当たり、さらに1960〜70年代には「グループや組織を導くだけでなく維持する行動にも焦点」があたりました。さらに、1980〜1990年代には「組織への貢献意欲を引き出すリーダーの行動に焦点」があたり、2000年以降には、共通の目標達成に向け、リーダーがメンバーに及ぼす影響力に焦点があたりました。2020年代は、どのような点に注目されているのか、気になりますね。
Leadership: Theory and Practice ペーパーバック – 2021/2/22 英語版 Peter G. Northouse (著)
というわけで、リーダーシップは、支配的・権威的にコントロールすることから、共通の目標に向かって、どのようにメンバーに影響力を行使するか、という視点にシフトしてきたわけです。すごいですね。進化していますし、わたしたちが気にかけている視点に絡んでいる気がします。
共通の目標に対して、自分がどのようにメンバーと関わるか。ちょっと、気にかけたいですね。
ただだらけた顔で空を見上げ、会話も少なくこの時間を共有することに終始する。たまにつく溜息に、快楽と諦念が混じる。失望ではないのが自分が大人になった証拠だと三歩は思う。
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