<1> この一冊
「仕事が速くなる プロの整理術」吉越 浩一郎 (著)
<2> 本当にできる人から学びたい
スマートフォンやクラウド型サービスを使った仕事術の本は、数多くあります。でも、紹介している著者が、「スマホが好き」「DropboxやEvernoteが好き」というだけでは、手法として取り入れるのに、少々迷います。その方法で、本当に成果がでているのか、わからないからです。
むしろ、実際に成果を出している人の手法のうち、20%でも真似をしたり、学べるものをつかみとる方が、正攻法だと思います。実際に、私が社会人のころに通っていた難治疾患研究所の教授に、どうやって情報を整理しているのか、おもいきって聞いてみたところ、「これですよ」と教えてくれたのは、ただのクリアフォルダ(クリアファイルのこと)だけ、だったのですから。ここに情報を1つにまとめよ、と。
ふーむ。
よって、道具や手法にばかり、注力を注ぐのは、時間のムダかも知れません。しかし、刃物を研がねば、木が切れないのは、確かですから、自分の仕事の方法の最適化は、見直すことは必要と思います。
さて、今回紹介するのは、トリンプの社長を務められていた吉越浩一郎さんの著書。成果も出して、やり方や道具を公開してくれる数少ない見本になる方です。出版されている本を、すべて読んでみて、なかでもこの1冊は、ふつうの私でも、取り入れられる手法として最適だと思いましたので、メモ。
<3> ブックメモ(Word’s Worth)
・①紙のサイズをA4に統一する、②受け取ったメールなどの「気になるもの」は必ずプリントする、③「気づいたこと」「気になったこと」を書く、④クリアファイルに入れて、関連する書類をまとめる、⑤「デッドライン」の日付を基準にして、整理保存する、⑥仕事が終了したら、書類は廃棄する
・その日付の書類をすべて片付けたら、その日の仕事は終りです。漏れなく、遅れなく、確実に「やるべきこ」を進めていける。「今日は何をしようか」「どこまで仕事を進めようか」などと悩む必要はありません。
・3ヶ月先までは1日から31日まで1日単位で仕切ります。常に最新の日付が一番手前にある状態にするのです。
・中長期的な仕事はとりあえず1ヶ月単位で分類しておき、「あと3ヶ月」となった時点で、1日単位でのデッドライン管理に移行していきます。
・チェックが1つ済むたびに、デッドラインを書き直して、書類一式を入れたクリアファイルを次回のチェック予定日のところに入れておく。これをプロジェクト終了まで続けるのです。
・プリントしたメールなどの書類をプロジェクターで映し、参加者に示しながら、即断即決していくのです。「会議に使う書類=情報整理の書類(何を、いつまで、終了チェック、デッドライン)=デッドライン管理の書類」という関係なので、会議用の特別な資料などは必要ないのです。
・プロジェクターで映し出される文書は、メールなどをそのままプリントしただけですから、特別なフォーマットで書かれているわけではありません。だいたいは簡単な箇条書きです。
・社内文書は、要点さえ記されていれば、それだけで十分です。何枚にもわたって説明がダラダラ続くような社内文書は最悪です。
・図にしてみると、自分の考えがロジカルかどうかを自分で確認することができます。仕事の進め方や着地点がより正確に見えてくると思います。
気づき)デッドライン管理、集中してやってみれば、できること。
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