読んだ本でできている

体は食べたものでできている、というどこかのキャッチコピーを聞きながら、まあ、確かになぁ、とぼんやりハイボールをいただきました。

手元には、誰かからお借りした文庫が山のようにあって、一冊づつ、上段から読んでいます。

言葉のフレーズが、じんわり沁みて、なかなか物語が進みません。でも、ゆっくりと読めることも、いいのかと思います。

しっかり噛みしめながら、一文、一文を読んでいきます。おそらく、ストーリー展開や結末よりも、生きる味がする中途の風景を味わいたいのかも知れません。

体は食べたものでできている。わたしも言葉も、読んだ本でできているなら、いいのにな。

世の中に「本物の愛』なんてどれくらいある?よく似ていて、でも少しちがうもののほうが多いんじゃない?みんなうっすら気づいていて、でもこれは本物じゃないからと捨てたりしない。

流浪の月、凪良ゆう

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