英語のなかで、適切な日本語訳がない言葉の1つは、クリティカル。そのままだと「批判」になってしまうようです。
1990年代に根拠ある医療EBMの勉強会では、何度もcritical appraisal 批判的吟味の「批判」とは、「非難するとか否定することではないですよ」と説明がされた。しばらくして、私も同じように、何度もその説明をするようになった。付き合いの長い言葉。
今、手元で読んでいる新書「いつもの言葉を哲学する」にも、「哲学とは、この場合、批判的クリティークな営みとことであり…」と語られ、フランス語のcritiqueにも、注釈が付く。
外来語の呑み込みがはやいはずの日本語も「クリティーク」をまったくカタカナ語で定着をする気配はない。化粧品ブランドのCLINIQUEクリニークは、すっかりお馴染みな気がしますが。
あぁ、criticalは、まだクリティカルのままで、critiqueも、クリティークのままか。
このままでは、その対象をよく吟味して、問題と可能性を明確にする「クリティークな営み」は、日本に馴染んでいかないのかも、と少し心配してしまう。言葉1つで。
いつもの言葉を哲学する
Bitly
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