投函は僕がします

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 郵送の仕事を事務スタッフにお願いしながら、「投函は僕がしますから」と伝えました。するろ、スタッフが「何か、間違いをしましたか?」と聞き返してきました。私は、重要な書類だから、責任者として、しっかり確認して投函したい、と理由を伝えました。

 このスタッフは、どうして理由を聞いてきたのかな、と思いながら、次の仕事にかかりました。郵送という1つの仕事は、それほど複雑な手順を必要としません。依頼された通りに従事することが仕事なら、郵送は、ほぼ100%の完成度でできるはずです。なのに、些細な指示変更の理由を、スタッフは尋ねてきた。

 仕事とは、その中身であるコンテンツと、誰に向けて?というアドレスの2つの要素があるとします。コンテンツを測るだけの成果主義の限界は、等価交換や成功報酬では、労働へのモチベーションは上がらないどころか、維持できない。仕事は、少なくとも2人以上の関係性で成り立ちますから、誰に向かけてというアドレスにも意義がある。人のために、という利他の引力は、コンテンツよりも大切なのは、アドレスの方だと教えてくれます。「これを受け取ってください」という人から人への贈与です。まだ不十分だけれど、精一杯やった、という状態のコンテンツもあるかも知れない。これども、贈与したいという気持ちが、コンテンツの向上につながるかも知れない。発展途中のチーム作りのソリューションは、このチームという「場への贈与」だと思います。個々の贈与が遠慮なく循環することで、気持のよいチームとなり、結果的に強くなる。

 私のチームは、つねにそういう状態ではないけれども、そういう瞬間を感じるし、どこにそのスイッチがあるのか、察することはできます。媚びることや諂う関係でできあがったコンテンツは、立場や地位、ルールが破綻したときに終わってしまう。

 「どうして、理由をたずねるの?」と私は、お返しにスタッフに聞き返しました。
 そして、「ありがとう」と、スタッフに、私はお礼をいいました。

気づき)スタッフが、私に教えてくれること

場の思想






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