私たちは、精いっぱいのコミュニケーションを取りつづけるしかない——「ツナグ」辻村深月

辻村深月の「ツナグ」では、使者(ツナグ)に依頼をすると、亡くなった人と再会できる。どうしても伝えたかった気持ちを、相手に託すために。

私たちは、亡くなった人とはもう会話ができないことを知っている。しかし、分かっていても、生きている間に、後悔なくすべてのコミュニケーションを完了させることはできない。会えなくなった相手への想いは、いろいろな形になって、残り続けることの方が多いのではないか。

「ツナグ」の再会は、一度きりだという。[※要確認]仮に、もう会えない人と、たった一度だけ会えるとしたら、誰もが、伝えたい気持ちは山積みだろう。

聞きたいこと、聞いてほしいこと。言いたいこと、言ってほしいこと。

そのすべてを、限られた時間で渡しきることは、きっとできない。完了できないことを受け入れたうえで、私たちは、いまここで、精いっぱいのコミュニケーションを取りつづけるしかない。

では、どうするか。 まずは、見たものを「ちゃんと言葉にする」ことだ。仮説とは、頭の中のモヤモヤしたものが、やっと言葉になったものだ、と言うこともできる。だから、あえて言葉にしようとする。

観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか 、佐渡島 庸平、2021

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