継続は力なり

80歳になるベテラン医師としばしば懇談をする機会をいただいています。どんなテーマでも、深堀りできて、ご自身の経験と言葉で語れる姿には、惚れ惚れし、いつも私は自分の姿勢を正して拝聴しています。

「継続は力なりって、言葉があるでしょう」とあるとき、先生は切り出して、「あれは、本当は力があるから継続できるって意味じゃないかしら」といいます。

まあ、たしかに。継続できる人とは、「決意して、実行して、それを続けられる力」があるということ。なかなかできない人は、さっぱり最初の決意もできませんし、初回の実行もできませんし、ましてや継続できる人は皆無。もちろん、初期設定の決意が適度に手が届く目標なのか、というズレはあるにしても、そこですらトライアンドエラーができないと、何もはじまりません。

一方で、継続できることが習慣になっている人は、どんなことでも、仮に目標を決めて、実行して、継続してみて、目標を微調整しながら、達成していくイメージですね。勉強ができるようになる唯一のコツは、自分で適度な目標を作って続けること。その通りでしょう。

つまり、やはり、力がある人が継続できるのかも知れません。そして、育成の視点で見るならば、その人ができそうな、適度な目標設定が、最初の一歩かも知れませんね。

楽器の弾き方や音符の読み方を教えることは出来るけど、「音楽」を教えることは出来ない。それは実際に触れて、味わって、音楽そのものになってみるほかに近づきようがない。「あり方」のまなび方も、それと似ていると思う。

かかわり方のまなび方: ワークショップとファシリテーションの現場から (ちくま文庫), 西村 佳哲 ()

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