マイクロトラウマに気がつけば人間関係が変わる理由

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 いつでも職員が気持ちよく仕事ができるといい。そう願って、白衣を着ています。病院の薬剤師は、病棟や外来で、たくさんのチャレンジが要求され、ときに成果をあげ、ときに挫けて薬局にもどってきます。とくに職員が挫けているときには、職員に配慮しつつ、病院のシステムを改善する必要があります。つまり、Emotional Control(感情のコントロール)と、Fact Control(事実のコントロール)の両方が責任者には求めらます。感情アプローチでは組織が動かないし、事実アプローチでは職員個人の物語としての「生きが薄い」のです。

 区の保健師さんと話をする機会があって「ちょっと本人とつながっていれば大丈夫よっ」と、釣り針のような仕草をして、Emotional Controlの大切さを教えてくれました。読みやすいテキストはないか?と探していた1冊は、これでした。

1.マイクロトラウマに気づく

 Microtrauma マイクロトラウマとは「小さな嫌な経験を何度も受けることによって生じる心の傷」。実はやっかいな問題なようです。私たちがふつう知っているトラウマは原因がはっきりしているので、早期に適切なケアを受ければ回復も見込めます。しかしマイクロトラウマは目立たないので、その影響が深刻になるまで気がつかない。たとえば、「決められない人」は、double bind(自分の行動が自分のものではないような操られ感)にさらされていることが多いそうです。

2.ハラサーに反省するのは最初の五分だけ

 私たちはつい「自分が正しい」と自己愛に満ちてモラルハラスメントをやってしまいます。人間関係には事実はなく、認識しかないことがベースですから、モラルハラスメントへの対処は重要です。まず、深呼吸。そして、自分の行動を保留しましょう(または、いつもと違う行動をする)。手本になるような人の呼吸をみることも効果的です。

3.自動思考(考え方のくせ)を変える

 何か違和感を感じたら、無意識の現れと気づきましょう。それを。具体的にイメージする。変えることは、小さくすることから。自分のサブパーソナリティに活躍してもらいましょう。

 自分を歪めずに、気持ちよく人間関係を作る方法があるはずです。

これから)

 先週、久しぶりに病棟担当を臨時で半日勤めました。朝のミーティングが終わり、病棟へ。車椅子を押しながら、経腸栄養剤の重たい袋を持っていくのはたいへんだろうと、玄関までごいっしょさせていただくことにしました。退院されるご家族と話をすると、聞ききれないほどの患者さんとの「これまで」と「これから」を伺うことができます。困難でも人と関係を保ちたいことも人間性でしょうか。

人間関係のレッスン (講談社現代新書)

人間関係のレッスン (講談社現代新書)

第1章 うまくいっていない自分

 <ケース1> 「いい人を演じてしまう」人

 <ケース2> 「決められない」人

 <ケース3> 「がんばりすぎる」人

 <ケース4> 「隠れる」人…

第2章 なぜうまくいかないのだろうか?

  ・なぜ「人間関係のパターン」ができてしまうのか?

  ・ダブルバインドによる心の傷

第3章 モラルハラスメントにあったら

  ・困った職場

  ・ハラサーの攻撃の6つの手口

  ・被害者の周囲の人たちの心理

  ・ハラサーとはどんな人間か

第4章 自分の中の隠れた感情に気づこう

  ・「自動思考」とは「自分の考え方のくせ」

  ・自分の中の違和感をつかまえる

第5章 自分を少しずつ変えてみよう

  ・変えやすいところから変えてみる

  ・普段しない行動をとってみる

  ・隠れているサブパーソナリティを見つける…

第6章 自分を歪めずに見つめるということ

  ・空気を読むということ

  ・共感という感情を人間関係の中でいかす

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