ヘパリンロックの立ち位置

 2008年に米製薬バクスター社が中国で製造している血液抗凝固剤(ヘパリン)を投与後に血圧低下などの異常が米国内で500例以上、可能性がある死亡例が100名弱報告されました。栄養補助食品の成分「コンドロイチン硫酸」の混入が指摘されているが、現在も原因は不明。国内では2008年4月にヘパリンの供給が停止されたが、医療機関の要請により安全性に留意しつつ、供給が再開されました。

そもそもゴム栓バイアルの管理の管理は?

(2002年CDC, Guidelines for the prevention of intravascular device-related Infections;血管内留置カテーテルに関連する感染予防のCDCガイドライン)

・1 回用量バイアルの内容物の残りを混合して使用しないこと(1A)

・事前にバイアルのアクセス膜を70%アルコールで消毒のこと(1A)

・滅菌済みの器具を使用し、アクセス膜貫通前に器具が接触汚染しないよう配慮(1A)

・無菌性が損なわれたときは同バイアルを廃棄すること(1A)

そしてロックの考え方( 1996年,2002年)

1996年CDC(Guidelines for the prevention of intravascular device-related Infections)

「生理食塩液は、末梢カテーテルを開存させ、静脈炎を減少させるのにヘパリンと同等の効果がある」

BMJからは、1998年に”Benefit of heparin in peripheral venous and arterial catheters: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.”

「ヘパリン濃度10単位/mLでは両者の効果は同等だったが、100単位/mLでは、カテーテル開存率と静脈炎発生頻度において、有意にリスクが低下した」

のちに、2002年CDC(Guidelines for the prevention of intravascular device-related Infections)では、血栓そのものについて指摘。

「カテーテル血栓症を防止する意味から、抗凝固剤を含んだフラッシュ溶液が広く使われている。カテーテルに付着した血栓やフィブリンは血管内カテーテルの菌の定着する病巣となりうることから、抗凝固剤を使用することで CRBSI を予防できる可能性があると考えられる。」

 つまり、カテーテル内に血栓ができないようにすることが必要。閉塞ができないことは当たり前で、菌の病巣となる血栓を予防すべき。

 で、いいのだろうか?

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