村上春樹【風の歌を聴け】違和感なく非日常のイベントを滑り込ませる

handkerchief micky

 村上春樹の全集を読みはじめました。できれば、今年の文芸書は、村上春樹を読み尽くしてみようと思っています。1人の人間がどこまで書けるのか。現存している著者のなかで、近さを感じられる村上春樹さんを選んでみました。

 面白さは、第1巻の46ページに出てきます。ラジオ番組のパーソナリティから、電話がかかってきて、ビーチボーイズのカルフォルニアガールのリクエストが君に届いているんだけど、その女の子のことを覚えている? と、聞かれる場面。

 日常のシーンのなかに、違和感なく非日常のイベントを滑り込ませる。非日常は刺激となり、ルーチンな毎日を加速させ、方向を変え、変化させる。そのことを私たちは体感しているはずで、村上春樹を読むことで、そのことを確信的に気づかされるのかも知れません。

もとねすメモ)さて、全集なんて、本当に読みきれるのか

ハートフィールド「気分が良くて何が悪い?」1936年
文章をかくという作業は、とりもなおさず自分と自分をとりまく事物との距離を確認することである。必要なものは感性ではなく、ものさしだ。
(村上春樹『村上春樹全作品 1979~1989〈1〉 風の歌を聴け;1973年のピンボール』)

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