鍼灸をしたことがない。痛いのかな、効くのかな。
鍼灸は、はり(鍼)治療ときゅう(灸)治療に分かれる。それぞれ「鍼を打つ」、「灸をすえる」という。日本では、1993年にはり師、きゅう師として国家資格。
Acupuncture treatment for pain: systematic review of randomised clinical trials with acupuncture, placebo acupuncture, and no acupuncture groups.
BMJ. 2009 Jan 27;338
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・鍼灸の効果が検証されていること自体が画期的。
・今回のシステマティックレビューは、試験のサイズが小さすぎ、
効果があるという大きなサンプルサイズの結果にひっぱられている感じ。
・もしかしたら、効果があるかもしれない。
ウソ(プラセボ)でも効果があるようだから、そこは注意。
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鍼灸とプラセボ鍼灸の効果比較
やや、本当の治療群の方が効果あり、か。しかし、有意差がないという論文も多い。Scharfの論文が300名を超える患者数でこの結果が、効果ありにひっぱっている感じもする。
何とプラセボ鍼灸は、治療なし群よりも効果がある。ウソの鍼灸でも「ああ、効いた」と思えてしまう証拠。
OBJECTIVES:鍼灸とプラセボの鍼灸の鎮痛効果を調査することと、どんな種類のプラセボの鍼灸が鍼灸の効果として表れるのか探索すること。
DESIGN:3群に分けた無作為化臨床試験のシステマティックレビューとメタ分析。
DATA SOURCES:Cochrane Library, Medline, Embase, Biological Abstracts, そしてPsycLITのデータベースより。データ抽出と分析においてそれぞれの臨床試験から標準化された平均差で、鍼灸とプラセボの鍼灸の効果を見積もった。プラセボ鍼灸の種類は1から5の生理的効果の可能性の評価でランクづけし、このランキングは、鍼灸の効果として、レグレッサンド逆行?メタ分析がされた。
DATA SYNTHESIS:さまざまな痛みを伴う13の臨床試験( 3,025名の患者)を対象した。患者の割り付けを適切にわからないように実施していたのは8の臨床試験だった。鍼灸とプラセボの鍼灸を管理した臨床医は、どの試験でもブラインド化されなかった。明確に基準外である1つの臨床試験( 70名の患者)が除外された。鍼灸とプラセボの鍼灸との間には、少しの違いが見いだされた。標準化された平均差が-0.17 ( 95 %信頼区間-0.26~-0.08 )で、これは4mmに対応する( 100mm視覚的アナログスケールで95%信頼区間2mm~6mm)。統計的に有意な不均一性はなかった( p = 0.10, I( 2 ) = 36 % ) 。プラセボ鍼灸治療と鍼灸治療なしの群の比較で中程度の差があった:標準化平均差 -0.42 ( -0.60 ~ -0.23 )があった。しかしながら、かなりの不均一性( p< 0.001 、 I( 2 ) = 66 % )が、プラセボの効果で少ない効果と大きな効果の比較で大規模な臨床試験でみられた。プラセボ鍼灸治療の種類と鍼灸の効果に関連性は、検出されなかった( p= 0.60 )。
CONCLUSIONS:臨床的関連性は不足しており、バイアスを明確に区別することはできないが、鍼灸には少しの鎮痛効果が見いだされた。どの部分に鍼灸をうつ?ポイントや、部分が、治療のritualな、心理的な影響と独立して痛みを減少させるかは、不明である。
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