重症の咽頭痛に、コルチコステロイドが有効らしい。メタ分析をした研究間に異質性はあるものの、寛解率、痛みの軽減までの平均時間を減少させた。
24、48時間後の痛みの完全寛解率
Corticosteroids for pain relief in sore throat: systematic review and meta-analysis
目的:コルチコステロイドが成人と小児の咽頭痛の症状を改善するか、評価すること。
方法:システマティックレビューとメタ分析。データは、Cochrane Central, Medline, Embase, Database of Reviews of Effectiveness (DARE), NHS Health Economics Database, and bibliographiesより。アウトカムの測定は、24、48時間の時点での完全寛解率、痛みから解放された平均時間、症状の完全寛解までの平均時間、仕事や学校の欠席日数、再発率と副作用。
結果:8つの試験で、743名の患者(369名が小児、374名が成人)。348名(47%)が漏出性の咽頭痛で、330名(44%)が、A群β溶血性レンサ球菌に陽性だった。抗生剤と鎮痛剤に加えて、コルチコステロイドが、24時間目(4試験で)の痛みの完全寛解で3倍以上(relative risk 3.2, 95% confidence interval 2.0 to 5.1)、48時間目(3試験)では、より少ない範囲 (1.7, 1.3 to 2.1)で投与された。コルチコステロイドは(6試験で)、試験間の異質性はあったが、痛みの解放までの平均時間を減少させ(95% confidence interval 3.4 to 9.3, P<0.001)た。 完全寛解までの平均時間は試験間で矛盾があり、集められた解析は約束されたものではない。他のアウトカムの報告には、限界があった。
結論:重度、または浸潤性の咽頭痛で多くの患者において、抗生剤治療に加え、コルチコステロイドは、咽頭痛の症状改善をさせた。
なぜ咽頭痛にコルチコステロイドか。
コルチコステロイドは、咽頭の炎症や痛みの症状を引き起こす気道の内皮細胞の前炎症性メディエーターの転換を阻害する(J Allergy Clin Immunol 2001;108)。コルチコステロイドは、急性副鼻腔炎、クループや感染性単核球症といった他の上気道感染症関連感染に有益である(Cochrane Database Syst Rev 2007;(2):CD005149, Cochrane Database Syst Rev 2004;(1):CD001955, Cochrane Database Syst Rev 2006;3:CD004402.)
研究者らの仮説の下支えとなったのは、この薬理作用と、コクランの3つの結果から。
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