島根県の海士町で、株式会社巡の環を起業した阿部裕志さんと信岡良亮さんの著書。
ふだんは、サラリーマンをしている人にも、何かやりたいという学生にも、この本からは多くのことを学べます。たとえ、島暮らしをすることを想定していないくても。
たとえば、何もないように見える島に見えたものは・・・
<大きな未来へのビジョンを持っていることと、関わることのできる「余白」>
何もないけれども大きなビジョンはあり、何もないことが「余白」という可能性になるのでしょう。
「しごと(社会の担い手)」と「かせぎ(生産者)」と「くらし(消費者)」の3つの輪が都会では離れ離れになるが、小さなコミュニティでは1つに重なる部分が大きくなるというモデルは、幸せなライフスタイルとしていも納得。自分の生活を、修正したくなります。
文字数が少ないのに、ぶ厚めの本書は、通勤電車で読むのには向きません。むしろ、時間を作って、本を持ち出して読まなければならない。おそらく、意図してそういう装丁にしているのでしょう。だから、この本を手にすると、自然とアマの街並みや潮風が吹いてきそうな気分になります。
僕たちは島で、未来を見ることにした
(阿部裕志・信岡良亮)
◯海士が「攻める」若者を引き込むのは、海士が大きな未来へのビジョンを持っていることと、関わることのできる「余白」が残されているから。
◯海士町の山内町長がいつもまちづくりで大切にしているものは、「よそ者、若者、ばか者」です。
◯規模が小さいということを言い換えれば、一人ひとりを大事にできる超少人数指導ができるという強みだ。学校の施設や設備が充実しておらず、教員も少ないのであれば、「島全体が学校だ」という発想に転換して、地域の力を学校の教育力に変えていけばいい。
◯認識のズレは平行線のままでしたが、「とにかくお互いのやりたいビジョンで動いてみて、経過を見ていこう」ということになり、そこから互いの仕事の仕方で個性を知り合っていきました。
もとねすメモ)思わぬ視点とヒントがいっぱい。地域づくり、病院経営にも役に立ちそう。
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