多数の中のわたし – 68億通りの生き方

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 話を聴き取る能力が高い職員との面接で、その強みをどう生かすか考えて「メディカルリスナー」はどうか?と、提案をした。患者さんの話を聞く専門家。

 年初からいい御題をいただき、68億通りの生き方を考えている。京都で保育園を経営する社会福祉が専門の叔父が、英国から帰ってきた。「文化の違う人々が1つの土地を共有するグローバル化はすごいスピードだった。東京はどうか?」と聞かれた。

 英国の保育園nursery事情は、サッチャー、ブレアで最悪の状況。これまた保育園も福祉国家スウェーデンが見本のようで、最悪の状況から上昇する見込みがあるのだ、という。その方式は、保育士のライセンスがいくつにも分かれ、能力により職能が変わるのだという。異なる文化の人々が集まり、新設校も多いため、オックスフォードやケンブリッジをのぞいては、有名大学もなにもわからないので、国内で教養の統一試験があるそうだ。その点数で、職能のランクがわかれるらしい。

 「努力すれば、幸せになれる?」「そうだ」と叔父はいう。少くともヨーロッパは、そうだと。

 文化の違う人々と日本でやっていく。龍馬のように、インターネットのように、好まなくても風とともに季節が変わる。10年という単位を、肌身で掌握できるような年齢になったので、2020年にネットワークが変わることは確実だと思う。

 少数密のネットワークから、多数疎のネットワークに

 68億人の世界人口。68億通りの生き方。英国に寝るのが大好きな青年がいて、彼は自分の寝ている姿をネット配信して広告料を稼いでいるという。診療報酬の対象にはならないが、メディカルリスナーもいいだろう。少くともその能力を意識して研究していくことには、意義がある。

 68億通りの生き方。68億通り。ちょっとできればいい。ちょっとニーズがあればいい。それが多数疎のネットワークで生きていく方法ではないか?

日本辺境論 (新潮新書)

日本辺境論 (新潮新書)

1 日本人は辺境人である(「大きな物語」が消えてしまった;日本人はきょろきょろする ほか)

2 辺境人の「学び」は効率がいい(「アメリカの司馬遼太郎」;君が代と日の丸の根拠 ほか)

3 「機」の思想(どこか遠くにあるはずの叡智;極楽でも地獄でもよい ほか)

4 辺境人は日本語と共に(「ぼく」がなぜこの本を書けなかったのか;「もしもし」が伝わること ほか)

世界を知る力 (PHP新書)

世界を知る力 (PHP新書)

第1章 時空を超える視界―自らの固定観念から脱却するということ(戦後という特殊な時空間―アメリカを通じてしか世界を見なくなった戦後日本人;ロシアという視界;ユーラシアとの宿縁;悠久たる時の流れを歪めた戦後六〇年)

第2章 相関という知―ネットワークのなかで考える(ネットワーク型の視界をもつ;大中華圏;ユニオンジャックの矢;ユダヤネットワーク;情報技術革命のもつ意味;分散型ネットワーク社会へ)

第3章 世界潮流を映す日本の戦後―そして、今われわれが立つところ(二〇〇九年夏、自民党大敗の意味;米中関係―戦後日本の死角;日本は「分散型ネットワーク革命」に耐えられるか;「友愛」なる概念の現代性)

第4章 世界を知る力―知を志す覚悟

若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書 515B)

若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書 515B)

 愛国主義は悪党の最後の隠れ家である。本書の中で筑紫さんが語る言葉の一つである。誰もが反対しづらい美辞麗句、思わず振り向いてしまう大きな声には注意が必要だ、という意味である。二〇〇三年から二〇〇八年にかけて、筑紫さんは早稲田大学と立命館大学で主に大学院生に向けた講座をもっていた。その中で再三伝えようとしたのは、情報や情緒に流されることなく自分の頭で考えることの素晴らしさであった。この一連の講義録をもとに、本書は構成された。「若き友人」を「日本人」と置き換えてもいい。筑紫哲也さんからの最後のメッセージである。

これから)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT、発売日。咳がつづくので、ランニングはしばらく中止。情報室会議@中野。

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