BMJ Christmasの最後は、10歳のころの知能指数(IQ)データがある1,530名を75歳まで追跡して、寿命に影響があるか、検討したスタディ。
寿命について、早期の知能指数(IQ)と教育の関係:スウェーデン、マルメの65年間の縦断的研究
The association of early IQ and education with mortality: 65 year longitudinal study in Malmo, Sweden
目的 早期のIQのちがいが長期的な教育をした人々の予後を延長させる理由になるのか、もしくは自身の学業成績のちがいがより高い早期のIQを持った人たちの予後を伸ばすのか?確認をすること
デザイン 人口をもとにした縦断研究。死亡リスクは、コックス比例ハザード回帰で推定した。
参加者 10歳の時点でIQテストをおこなった1,530名の子どもたちを、75歳までフォローした。
Participants 1530 children who took IQ tests at age 10 and were followed up until age 75.
結果 個人の学業成績は、性別に関係なく全死亡率とは負の関連があり、早期のIQと教育を各学年で補正するとハザード比は、男性で0.91 (95% CI 0.85 to 0.97)、女性で0.88 (95 % CI 0.78 to 0.98)だった。早期にIQが高いことは、学業成績と教育を補正しても、男性では死亡率を減少させた(0.85 (95 % CI 0.75 to 0.96)。一方、早期にIQが平均以上の女性にはそのような明らかな効果はなく、60歳以上に限っては、学業成績で補正をすると死亡率は増加した(HR 1.60 (95 % CI 1.06 to 2.42))。
結論 学業成績による死亡率のちがいは、早期のIQでは説明ができない。幼少期のIQは、それぞれであっても、男性の死亡率と女性の死亡率に、それぞれ別に影響をしており、教育環境や学業成績についても、社会的背景や個別の社会的キャリアなどなどの補正は、幼少期のIQによる死亡率の違いの説明にはなりそうもない。男性と女性におけるIQの効果について明白な違いは、単純な認識できるマーカーよりも社会的・身体的環境が、IQと寿命に関係しており、健康を増進する幼少期の環境を作り出す効果につながるかも知れない。
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