塩分と脳卒中、心疾患

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 和食は体にいい、とはいえ、塩分の摂りすぎだけには注意をしたい。『万葉集』に「藻塩焼く」「玉藻刈る」などと枕詞にあるように、日本人と塩のつきあいは長い。

 世界の平均的な塩分摂取量は、1日あたり6g以上で、東ヨーロッパとアジアでは、12g以上を摂取しているようだ。

 もちろん、血圧が上がるから、摂取を控えなさいなのだが、高血圧の有無に関係なく、塩分の摂りすぎは、脳卒中と心疾患の発生イベントを増加させるというメタ分析が報告された。

塩分摂取と脳卒中、心疾患:前向き研究のメタ分析

Salt intake, stroke, and cardiovascular disease: meta-analysis of prospective studies

BMJ 2009;339:b4567

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目的:塩分を摂取する習慣の程度と脳卒中や全心疾患との関係を評価すること

デザイン:1966~2008年に発表された前向き研究のシステマティックレビューとメタ分析

情報源:Medline (1966-2008), Embase (from 1988), AMED (from 1985), CINAHL (from 1982), Psychinfo (from 1985), and the Cochrane Library.

レビューの方法:それぞれの研究について、相対危険度relative risksと95%信頼区間が抽出され、ランダムエフェクトモデルrandom effect modelに集積され、 the inverse of the varianceで重み付けされた。出版バイアス、サブグループや、メタ回帰による異質性を考慮した。適合基準は、成人の前向き研究で、ベースラインで塩分摂取を評価していて、脳卒中か全心疾患をアウトカムとして評価していることとし、少くとも3年間はフォローアップをしており、塩分を摂取していた参加者の人数と、線分摂取の程度ごとに発生イベントの数がわかることとした。

結果:13の研究に、19の独立したコホートの標本があり、177,025人の参加者(3.5~19年の経過観察)で、11,000以上の血管疾患があった。高用量に塩分を摂取することは、脳卒中の重大なリスクgreater risk(集積された相対危険度1.23、95%信頼区間1.06~1.43; P=0.007)と関連しており、循環器疾患 (1.14, 0.99 to 1.32; P=0.07)は、出版バイアスにより有意な根拠はなかった。循環器疾患については、感度分析により、1つの試験を除外すると、集積された累計は、1.17倍の相対危険度(1.02 to 1.34; P=0.02)を示した。塩分摂取の相違が大きいほど、そして、フォローアップが長いほど、より観察された関連性があった。

結論:塩分の高用量摂取は、脳卒中と全循環器疾患のリスクを有意に増加させることと関連がある。塩分摂取の測定から、これらの効果のサイズは、少なく見積もられているようだ。これらの結果は、循環器疾患の予防に塩分摂取を減少させる実質的な母集団の役割を支える。

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