GenAIの時代に文体はどこにいく

もしも作文を書くときに、子どものころからGenAIを使っていたら、村上春樹のような文体は生まれないのではないだろうか。ここでいう文体とは、読みやすい言葉遣いだけではありません。平凡な世界に潜む影に気づき、それにどう向き合うか。その視点ごと含めて文体と呼んでいます。GenAIに文章の下書きを渡せば、万人に読みやすい文章で返ってくる。おおかたのビジネス文書なら、それでよし。でも、わたしたちは、いまあるわたし自身と、これから変わりゆくわたし自身のために、文体で読む。だとすれば、その表現も、書き手にしか選べない言葉や展開も、人が創るしかないのではないか。ときに、GenAIがここを修正したらオーケーという指摘を無視して、書き切るしかない。

世界では、いまも戦争や紛争が後を絶ちません。争いをなくすための方法は、原理的には次の二つだけです。一つは、圧倒的な力を持った巨大権力が、その他の人びとを服従させ、支配すること。もう一つは、互いを対等な存在と認め合い、その上で、たえず対話による合意形成を目指していくことです。

本質観取の教科書、苫野一徳、岩内章太郎、稲垣みどり、2025

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