倫理書簡集でセネカが、最初に書いた3つのこと

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 「知恵のみが自由だ」と記し、シェイクスピアにも影響を与えたというローマ帝国の詩人であり、哲学者であるセネカ(Lucius Annaeus Seneca)。膨大な全集から、重要なエッセンスを選ぶには、どうにも時間が足りません。

 おそらく重要なことは、トップに書くだろうという憶測で、倫理書簡集の最初の3つに、何が記されているのか、メモをしてみました。

 セネカが、ルーキーリウスに宛てた倫理書簡集Iには、まず「時間」は、自分の怠慢で奪い去られる、と記されています。2番目は、たくさんの作家やあらゆる分野の書物を読んでいると、あてどなく不安定な面も生じかねないからね、という「読書」についてのメッセージ。そして、3番目には、自分自身に対するのと同じだけの信頼を寄せている人が「友人」である、と記しています。

 セネカが、ルーキーリウスに宛てた倫理書簡集Iには、まず「時間」は、自分の怠慢で奪い去られる、と記されています。「私たちの時間はときに奪い取られ、ときに削り取られ、ときに流れ去る。だが、もっとも恥ずべき損失は怠慢のせいで起きるものだ」、と。明日を当てにすることなく、今日をしっかり確保したいものです。

 2番目は、たくさんの作家やあらゆる分野の書物を読んでいると、あてどなく不安定な面も生じかねないからね、という「読書」についてのメッセージ。ドキリっとしてしまいます。では、どうすればいいのか?「世に認められた作家をいつも読みたまえ。他の作家へ移りたいと思ったときは、以前に読んだ作家に戻りたまえ」と記されています。

 そして、3番目には、自分自身に対するのと同じだけの信頼を寄せている人が「友人」である、と記しています。「自分が友人と考える相手に自分自身に対するのと同じだけの信頼を寄せていないというのであれば、君はたいへんな間違いを犯しているし、本当の友情の意味を十分にわかっていないことになる」と記されています。これは、友人との付き合い方が、変わる言説ですね。

気づき)やはり倫理書簡集の最初の3つは、最重点でした。どれもが、「自分自身」でどうするのか、考えさせられるものばかりです。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I

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