真実を語るには、真実を知っていなければならない。だが、医者と同様、政治家も予後を見誤ることがある。「みずからが考え、望むところを誠実に話す」という意味での「真実を語る」行為は、可能だし望ましい。
(「いま、目の前で起きていることの意味について――行動する33の知性」ジャック・アタリ)
観察研究の解析方法の1つである Propensity Score Analysis(PSA)の論文を読みました。retrospective cohort studyで、選択バイアスを避けるために propensity score で患者をマッチングさせ、なるべくRCTに近づけるという手法(らしい)。考えた人はすごい。
*EBM中野のワークショップで読みました。
Effect of β blockers in treatment of chronic obstructive pulmonary disease: a retrospective cohort study
COPDの治療に、 β blockers で治療すると、NNT4.35年=14人という、かなりよい成績に。今回は、Propensity Score について、メモ。
1.Propensity とは傾向という意味
Propensity とは性質、傾向という意味。ある治療を行うか否かは、医師の好みによる部分が大きいので、propensity score と呼ぶ。これは確率なので、0 から 1 の間にあり、2 人の患者さんの propensity score が 0.6 とすると、同じ確率(およそ 3 人に 2 人)がその治療を受けることになる。
2.治療選択バイアスを軽減するためのデザイン
propensity score でマッチングすると、自然と予後因子が治療 A を行なった患者群と行わなかった患者群で一致する。これで、介入群と非介入群の治療選択バイアスを軽減できる。
3.批判的に吟味のシートはどれを使う?
課題は、多数の症例が必要なモデルということ。そして、批判的吟味に、JAMAのユーザーズガイド「治療」のチェックリストは使えない(RCTではないし、ITTもしていないし、MASKもしていないので)。
準RCTのような研究デザインが、 Propensity Score Analysis
気づき)
・現場、ときどき論文
・まだまだ勉強しておきたい研究デザイン・・・
・「結局どう?」をディスカッションして現場でいかしたい
いま、目の前で起きていることの意味について――行動する33の知性
- 作者: ジャック・アタリ,Jacques Attali,ルネ・ジラール,マックス・ガロ,ブトロス・ブトロス=ガリ,フィリップ・ソレルス,岩澤 雅利,木村 高子,加藤 かおり
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本
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