接待のような準備はできないけれども

広告代理店に勤める友人は、接待のために、事前にお店の下見をして、お店の方と仲良くなって、相手の家族構成に配慮して、手土産を準備することがふつうのようです。

ふーん。仕事とはいえ、たいへんです。たしかに、私も何度か、よくしてくれるなぁ、という場にお誘いいただくことがあります。

ゴールデンウィークには、毎年、高校の友人の墓参りにいきます。誰彼ともなく、同じ部活のメンバーで、墓参りをして、高校の近くの駅で、懇親会がふつう。わたしは、このメンバーには接待のような準備はできないけれども、気楽に集まり続けられたら、それが一番だな、と思っています。

この男は元々が人間失格で、わたしの身体的損などなんの関係もなかった、わたしが情けをかける資格などはなからない男だったのだ、そう切り捨てられれば彼女の心は部分的に救われる。切り捨てることで結局は別のなにかを失うだろうけれど。

流浪の月、凪良ゆう

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