教えることを学ぼう「インストラクショナルデザイン」

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子供の頃を思い出してほしい。

ランドセルを背負って通った小学校時代でも、

部活動に明け暮れた高校時代でもいい。

(「インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」より)

 家庭医の阿部佳子先生による「インストラクショナルデザイン」のレクチャーに参加しました。インストラクション?。全くわからないテーマです。サブタイトルは「教えることを学ぶ」。どうも、いまの私にぴったりです。

1.「インストラクション」とは?

 インストラクションとは、「何かの行動を引き起こすための仕掛け」です。スキーやダイビングの「インストラクター」なら、わかりますよね。このインストラクションをどうデザインするか?、つまりどう設計するか?が、インストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)です。デザイン=設計ですから、教育の失敗は「設計ミス」であり、教育の成功は「設計がよかった」ということになります。

2.インストラクションのルール

 17ものルールがあります。すべてを覚えることは無理なので、重要な3つを紹介します。1つ目は「SPECを明記する」ことです。この学びは何を教えるのか?、教える理由は何か?、成功の基準は何か?を示すのです。2つ目は「学びにコミットする」こと。相手にくっついて、責任を持つということです。最後に「学び手は常に正しい」ということです。どんなに教え方が上手でも、相手がわからなければ、それが評価だということです。そのためにも「学び手を知る」ということが大切です。

3.インストラクショナルデザインのサイクル

 「ニーズを知る」→「目標(Objectives)の設定」→「実施」→「評価」。PDCAのような4サイクルが、デザインの要素です。とくにニーズを知ることは大切です。これは、現状を提示して、ニーズは?で書きだして、その重要性(issue)=その学びは役に立つか?を検討します。そして、「目標の設定」では、教育分類(Taxonomy of educational objectives)がキーポイントです。具体的な教育項目(SBOs)に対して、どのような方法(Strategy)がいいのか?選択します。ワークショップが必ずしもいいわけではなく、講義、実技、臨床実習もそれぞれに特徴があります。このTaxonomyとStrategyがわかっていれば、パターン化がされ、再現性が保証され、質が向上するスパイラルにつながります。

気づき)

 ・60分のレクチャーなら、残り15分の「ふりかえり」で満足感を高める。

 ・ふりかえりで「新しいこと」は提示しない。予告まで。

 ・特別に「凝った」レクチャーではないのに、参加者の満足は高い。デザイン効果。

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