何も買い控えをしたのは、MacBook Proだけではない。あんなに買い替えをしたかったiPad miniでさえ、すぐに納品されないという理由で、いまだに新製品を手にしていない。
Appleの製品に限らず、何か物を購入するときに、私は以前に増して慎重になっている。20代のころよりも、多少はお金はあるはずなのに、無駄なものには支出しない癖がついてきた。
ふと、このまま行き過ぎるとどうなるのか、と案じてしまう。
そんな折、療養中の差し入れとして、課題図書を指定してくれた先輩がいた。たいへんありがたい。
残念ながら、集中して読む気力がないので、最後まで読破できるか、わからない。でも、さすがに先輩が勧める本は、面白い。
今回の課題は、岩波新書の小野善康「成熟社会の経済学」。新書なら、おやつのように軽く読めると高をくくっていたが、てごわかった。
欲しい物はすべてそろってしまった1980年代から、いまは成熟社会だから、「たとえば大型デレビがほしいと言っても、お金の持つ自由という魅力を飛び越えるほど魅力があるかどうか迷う程度だった。テレビに限らず、これ以上物やサービスを増やそうという欲望が減退して、お金に対する欲望だけが残ってしまったということです」
うむ。
まさに、私が、Appleの製品を買い控えた理由と重なる。
おそらく、本書はそのまま経済学の理論で政策への提言が展開されるのだろうけれど、一人の労働者、一人の消費者として、どうお金を動かすか、ということは、本書をきっかけに考えてみたくなった。
成熟社会を幸せに生きるために。
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