現状を正確に捉えて、必要とされることを見出すこと。
「関係性の曖昧さ」に気がつくことで、近づくなり、離れるなりの力を自ら加わえてみる。そうすることで、平凡にバランスをとりおさめるはずだった現実のストーリーが、奇妙な、でも、より自分本来と言ってもいいリアルな結果を導くことになる。
そういう感覚に包まれる不思議な短編集です。
日常のなかにこそ、世界があることに気づかされました。
もとねすメモ)読書の時間がなかなか確保できませんが、村上春樹の全集を読みつづけています。一生のなかで、人はどれだけのことを書けるのか。すごい旅です。
時計は六時半を指していた。夕食の時間だ。家では母親が心配しているに違いない。夜中に起きなっても僕が帰らなかったら発狂してしまうかもしれない。そういう母親なのだ。いつも悪いことばかり想像する。悪いことを想像するか、テレビを観ているか、そのどちらかだ。
(村上春樹全作品 1979~1989〈5〉短篇集〈2〉)
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