図書館で借りる全集が好きです。ほどよくくたびれていて、私の知らない人たちが、読んでいる姿を想像してしまいます。どういう気持ちでこの全集をその人たちが手にしたのか。僕にはわかりませんが、僕にはそれなりの理由があるはずです。
最初に全集を読んだのは、小学生のころ。祖父母の家にあった文学全集です。小学生なりに遊んでばかりいましたが、やることがなくて、あまりに暇なときには、全集を読んでいました。
次に全集を手にしたのは、学生でも、社会人でもない時期です。友だちも、恋人もなく、あまりに暇で、区立図書館で借りた何人かの作家の全集です。
僕の場合は、「あまりに暇なとき」に、全集に手をだすのでしょうか。いや、少なくとも、いまは、以前のころのように暇では、ありません。仕事もあるし、友だちもいる。
さて、全集1冊目の2作目は、1973年のピンボール。間違いなく一行も読んだことのない作品ですね。そして、「風の歌を聴け」のように、心地よく楽しめる作品でしたよ。
もとねすメモ)全集2冊目は、なにかな。楽しみです。
しかるべき時がやってきて、誰もがピンボールをやめる。ただそれだけのことだ。
(村上春樹『村上春樹全作品 1979~1989〈1〉 風の歌を聴け;1973年のピンボール』)
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