一昨日、引用したゲーテの言葉は、真っ当だなと思います。
後から生れてくる人は、それだけ要求されるところも多いのだから、またしても迷ったり探したりすべきではではない。老人の忠告を役立てて、まっしぐらによい道を進んでいくべきだ。
忠告といえば、わたしは「ちゃんとおしっ」という祖母の言葉を思い出します。
「ちゃんとおし」とは、包括的な指示で、何をちゃんとすればよいのかは、明確ではありません。しかし、繰り返されるのは「ちゃんとおし」でしたから、「あいさつ」のことなのか、「片づけ」のことなのか、必死に私は頭を使いながら、期待に応えようとしたものです。
威風堂々とした祖母の姿勢には、問いかける余地もありません。おかげで、私には察する器量が少しは身についたのかも知れません。既知の事柄をもとにして、未知の事柄に見当をつけるというものです。
ゲーテはおそらく、生涯をかけて取り組むことに時間を無駄にせず、老人の忠告を役立てるようメッセージを遺したのだと思います。身近な祖母からは、「ちゃんとすること」が1つの教えでした。
もとねすメモ)あの忠告も、この忠告も。
静かに仕事を続けていて下さい。結局そこから、世界の展望も、経験も、最も確実にまた純粋に生れてくるのです。
(エッカーマン『ゲーテとの対話 上』)
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