薬害を覚悟する本 5)私は薬に殺される

 「これは読んだか?」呼吸器の医師が貸してくれた一冊。

 スタチンの横紋筋融解症は知れた副作用だ。しかし、その副作用の初期症状から診断がついて、治療にあたるまでの日々を死と対峙しながら著者と読み過ごすことは壮絶な体験だった。

私は薬に殺される

私は薬に殺される

 薬害なのか、副作用なのか、という論点を持ち出す医療従事者もいるかも知れない。もちろん定義による線引きは必要た。これまでの薬害が厚生労働省や製薬会社による故意の情報操作が論点ではあった。しかし、著者は医療従事者の責任を問うている。

 わたしはこの著者のメッセージから、新たな薬害の定義を考えはじめた。そして、その定義が明確なら行動が変わることを信じている。

 In classical thought, a definition was taken to be a statement of the essence of a thing.

 定義とは古くは「物事の本質」だが、それが行動の指針になるかもしれない。

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