慢性安定期のCOPD患者における吸入コルチコステロイド

 「継続は力なり」という言葉を使ったのは、たぶん中学生のころで、通信教育のZ会がキャッチコピーにしていたのだと思う。アテネオリンピックの女子マラソンで金メダルを獲得した野口みづきさんの座右の銘は、「走った距離は裏切らない」。

つづけることが成果

なのだと思う。

 そこまでは、了解なのだが、どうしたら続けられるか?について、この1冊

 勝間和代さんの「目立つ力」には、ブログを使って、自分の成長を共有の場に持ち出せば、さらに成長できるというもの。そして、単に「つづけよ」と旗をふらずに、こんな感じでどうだろうか?とうまい提案がされている。

(p.54)

代表的な魅力あるコンテンツは、実は、書き込みをしている人自身の、何気ない自己体験のことが多いのです。だからこそ、実はブログだけを面白くするのはたいへん難しく、ブログを書き込んでいる本人の活動・行動がほかの人と差別化されていることが必要です。

(p.52)

私もさまざまな内容を試してきましたが、結局、自分が面白がれるのは、伝えたいメッセージだけだ、ということがわかり、どれだけその内容に興味がある人がいるかどうかは後で考えようという形で、例えば自転車や無線LAN、電子ガジェットや海外のAudiobookなどの話をひたすら続けてきました。そして、そういう内容は実際、私の特徴やキャラクターとして受け入れられていったのです。

 自分のしたいことをつづける。それでいいようです。

目立つ力 (小学館101新書 49)

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 有志のEBM勉強会もそろそろ100回に近づこうとしていて、今回もこんな興味ある問い。

慢性安定期COPDの管理で吸入コルチコステロイド (ICS) 治療による最近の研究は、生存期間と副作用に関して、相反confliceな結果が生じている。

 予習メモ。

慢性安定期のCOPD患者における吸入コルチコステロイド

Inhaled Corticosteroids in Patients With Stable Chronic Obstructive Pulmonary Disease

JAMA. 2008;300(20):2407-2416.

f:id:MotoNesu:20091111220418g:image

背景:慢性安定期COPDの管理で吸入コルチコステロイド (ICS) 治療による最近の研究は、生存期間と副作用に関して、相反confliceな結果が生じている。

目的:慢性安定期COPD患者における死亡率と副作用について、ICS治療による効果をシステマティックにレビューし、定量的に統合すること。

データ源:Search of MEDLINE, CENTRAL, EMBASE, CINAHL, Web of Science, and PsychInfo through February 9, 2008

研究の選択:適合する研究として、COPDの患者で6ヶ月以上のICS治療、もしくは非ステロイドの吸入治療を比較しているダブルブラインドで、ランダム化比較試験。

データの抽出:2名の著者がそれぞれに研究の特徴、全死亡率、肺炎と骨折を含めてデータをまとめた。 I2 statisticが、異質性の評価に使用された。研究レベルのデータが、ランダムエフェクトモデル random-effects model (when I2 > 50%)、もしくはフィクスドエフェクトモデルfixed-effects model (when I2 < 50%)で、プールされた。1年目の時点での全死亡率である第一のアウトカムについて、メタ分析は死亡率について absolute difference1.0%、で0.05の2-sided {alpha}で、0.80の牽出力で行った。

結果:

11の的確なランダム化比較試験 (14 426 名の参加者)が、研究に含まれた。1年目の全死亡率のデータに差異はなかった(治療群で、4636名中128名死亡、比較群で4597名中148名死亡で [RR], 0.86; 95% confidence interval [CI], 0.68-1.09; P = .20; I2 = 0%).

肺炎の論文では、ICS治療は、肺炎の発生率が有意に高いことと関連があった(治療群で5405名中777名、比較群で5371名中561名で、 RR, 1.34; 95% CI, 1.03-1.75; P = .03; I2 = 72%)。サブグループの解析で、肺炎のリスクが増加したのは、高用量のICS(RR, 1.46; 95% CI, 1.10-1.92; P = .008; I2 = 78%)、ICSの使用期間が短い (RR, 2.12; 95% CI, 1.47-3.05; P < .001; I2 = 0%)、ベースラインの一秒呼気量のFEVが低い(RR, 1.90; 95% CI, 1.26-2.85; P = .002; I2 = 0%), そして、ICSと気管支拡張剤の併用療法 (RR, 1.57; 95% CI, 1.35-1.82; P < .001; I2 = 24%).であった。

結論

COPDの患者には、吸入コルチコステロイド治療は、1年後の全死亡率に影響しない。ICS治療は、肺炎の高いリスクと関連がある。さらなる研究が、ICS治療によるCOPD患者への利益がどんな点にあるのか、明確にするだろう。

そして、コクランからは同じようにこのレビューが報告されている。

April 18. 2007に報告された、Inhaled corticosteroids for stable chronic obstructive pulmonary disease(The Cochrane Library (ISSN 1464-780X).)

 6ヶ月間くらいまでのFEV1改善率は効果があるが、6ヶ月以上の長期では有意差はなく、死亡率も差はない。

背景:

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に吸入ステロイド薬(ICS)の役割は、多くの論争の対象とされている。主要な国際的なガイドラインは、ICSの選択を勧めている。最近公表されたメタアナリシスは、COPDの吸入ステロイド療法の効果に矛盾した結果を報告している。

結果:

 13,139人の参加者による47の主な研究が、基準を満たした。ICSの中期使用(2ヶ月から、最大6ヶ月)は、いくつかの研究ではFEV1の小さな改善の結果を示した。ICSの長期使用(6カ月以上)は、COPD患者のFEV1を有意に低下させなかった(加重平均差(WMD)年間5.80mL:95%信頼区間-0.28~11.88、2333の人)There was no statistically significant effect on mortality in COPD patients (OR 0.98, 95% CI 0.83 to 1.16, 8390 participants).COPD患者のの死亡率には統計的に有意な効果はなかった((OR 0.98、95%信頼区間0.83~1.16、8390人)。

レビューア:

患者と医師は、既知の限局的な副作用の増加(口腔咽頭カンジダ症や嗄声)に対するCOPDの吸入ステロイドの潜在的な効果(症状悪化の発現率、生活の質の低下減少率の低下)の利益のバランスをとるべきである。長期的な副作用の危険性は不明。

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