<1> この一冊
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
塩野 七生 (著)
<2> 念願のローマ
「歴史ものは、学生のときの読まないと、感情移入が足りなくなるよ」といわれたのは高校時代でした。
三国志、水滸伝と大作は読み尽くしてきましたが、社会人になってから、ずっと気になっていたシリーズの1つが「ローマ人の物語」です。
いつか読みたい、とは思っていたものの、没頭しそうで敬遠していました。
ある日、信頼している薬局長さんに、この本をススメていただきました。
「いいよ。はやめに、読んでおきな」と。
文庫本なら、本当にスーツの内ポケットにいれても、邪魔になりません。
史実からの学びは、大きいので、シェアしておきます。
<3> ブックメモ(Word’s Worth)
・神話や伝承の価値は、それが事実か否かよりも、どれほど多くの人がどれだけ長い間信じてきたかにある。
・「サビーニ族の女たちの強奪」
・ローマの王は、王自らが神であるエジプトのファラオとはちがう。神と人間たちの間をつなぐ、神官的色彩の濃いメソポタミアの王ともちがう。貴族の首領という感じの、ギリシアの王ともちがった。
ローマの王は、神の意をあらわす存在ではない。共同体の意を体現し、その共同体を率いていく存在なのです。それゆえに、終身だが世襲ではない。また、選挙によって選ばれる。王様というよりも、終身の大統領と考えたほうが適切かも知れない。
・ローマ人にとっての宗教は、指導原理ではなく支えにすぎなかったから、宗教を信ずることで人間性までもが金縛りになることもなかったのである。強力な指導原理をもつことには利点もあるが、自分たちと宗教を共有しない他者は認めないとする、マイナス面も見逃せない。
・人間の行動原則の正し手を、
宗教に求めたユダヤ人。
哲学に求めたギリシア人。
法律に求めたローマ人。
・「パートス・コンスクリプティ」(父たちよ、新たに加わった者たちよ)
「パートス」と言って、旧勢力をまず立てる。次いで新勢力に言及するのだが、「新たに加わった者たちよ」という呼びかけをつづけるかぎり、永久に新たに加える可能性をもちつづけることになる。
・「市民には、妥当な名誉を与えた。彼らの権利を取りあげもせず、といって、それに新たにつけ加えることせずに」
・「敗者を同化する彼らのやり方くらい、ローマを強大にした要因はなかった」
気づき)やっと読みはじめることができた長編です
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
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