2002年のノーベル経済学賞は、経済学者たちの間で一つの事件として知られています。経済学者ではないダニエル・カーネマンDaniel Kahnemanという心理学者が、受賞者の一人だったからです。どういて心理学者である彼が、受賞をしたのでしょうか。
伝統的な経済学者は、人は自分が本当に望んでいることをよくわかっていると仮定しています。したがって、何が好きなのか、嫌いなのかを尋ねれば、尋ね方(フレーム)に関わらず、いつでも同じ好みが表れるとの仮定が前提でした。
しかし、尋ね方が変わると同じ内容でも、人の行動は変わります。たとえば、人は利益を確実にすることを好み、損失を確定することを嫌います。
1、80万円確実にもらえる
2、 85%で100万円、15%で0円もらえる
→ 多くの人は1を選ぶ。
3、80万円払う
4、85%で100万 円、15%で0円払う
→ 多くの人は4を選ぶ。
期待値を比べれば2、3の方が有利であるにも関わらず、1、4を選んでしまう。
尋ね方が変わると、行動も変わることがわかります。この尋ね方をフレームと呼び、いくつものフレームがいろいろな研究でわかっているそうです。他人は自分と同じと考えてしまう「自己フレーム」、過去を歪め未来を見誤らせる「現在フレーム」、お金の使い方を左右する「名前フレーム」など。
不確実なときに必ずしも合理的な判断をしない私たちのパターンを知っておくことも、役に立つかもしれません。尋ね方、フレームは、「世界を眺める心の窓」です。
知恵とは自分の限界を認めること
ちょっと長いですがメモ)
・意味にフォーカスするフレームを持とう。ただし人事面接では、「10年後にどうなりたい?」と質問すると、誰もが意味に集中した「いい返事」をするので、「明日はどう生きるつもりか?」を問うたほうがいい。
・「挑戦フレーム」は堅持する
・「今ここで」幸せだな、のフレームを持っておく(英語のsavorは、いまこの時を精いっぱい楽しむという意味)
・他人との「比較フレーム」は捨てる
・そうありたい環境に囲まれる(持っていたい物を持つ、そうなりたい人のそばにいる)
・「所有」ではなく「経験」フレームで物を買う
・「どこで」ではなく「誰と」のフレームを選択する
気づき)
・曖昧さに満ちた世界に秩序をもたらし、意味をあたえるフレーム。自分にいい問いを投げかけることが、大切かな。
・ダニエル・カーネマン: 経験と記憶の謎(20分くらいの動画レクチャーが見られます、字幕付き)
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/daniel_kahneman_the_riddle_of_experience_vs_memory.html
・ちなみに、あぶく銭は銀行に2週間だけ預けると、「あぶく銭」ではなくなり、大切なあなたのお金になるそうです(社会心理学者トーマス・ギロビツチ)
これから)夏休み明けの久しぶり出勤、医療安全委員会、安全ニュース作成、オーダリングマスタ修正、2015年までの人事政策の論点は何か?
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