薬剤師による服薬指導で、臨床上の結果がでた例

 めずらしく薬局関連の論文が、JAMAに掲載されている。

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・薬剤師の服薬指導が、服薬のコンプライアンスをあげて、血圧やコレステロールを低下させる

・こういう論文を作成したい

・アドヒアランスという言葉も使われはじめた(コンプライアンスより自主性あり)

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JAMA. 2006 Dec 6;296(21):2563-71

Effect of a pharmacy care program on medication adherence and persistence, blood pressure, and low-density lipoprotein cholesterol: a randomized controlled trial.

【目的】

 総合的な薬局でのケアプログラムの効果を研究することは、薬物療法の支持を改善し、血圧やLDLコレステロールの効果に関係がある。

【方法】

 多段階にわたり、観察の段階では前向き研究で、ランダム化比較試験で、少なくとも4つの継続した薬剤が投与された65才、またはそれ以上の患者で、200の地域に基づいたWalter Reed Army Medical Centerにおいて実施された。この研究は2004年の6月から2006年の8月まで実施された。

【介入】

 2ヶ月間の導入相(指示や血圧、LDLコレステロールの基準の測定)の後、患者は6ヶ月の介入相(標準化された薬物療法の教育、薬剤師よる定期的なフォローアップ、そして服用時毎のパックで調剤された薬剤)に登録された。介入相の後、追加して6ヶ月間患者は薬局によるケアが続けられた群と通常のケアの群にランダム化された。

【アウトカム】

 観察相での最初のエンドポイントは、薬剤の服用の割合が変化するかであったのに対し、第二のエンドポイントは血圧とLDLコレステロールの変化に関係しているかであった。ランダム化された相の最初のエンドポイントは薬剤の継続を2群の間で比較することであった。

【結果】

 合計200人の高齢者(77.1%が男性、平均78歳[SD:8.3歳])が登録され、平均9つの継続した薬剤[SD:3]が投与されていた。冠状動脈の危険因子は、治療された高血圧の患者184人(91.5%)や高コレステロール血症162人(80.6%)を含んでいた。薬物治療の支持の平均(標準偏差)は61.2%(13.5%)であった。介入の6ヶ月後、薬物治療の支持は96.9%[5.2%;p<.001]に増加し、収縮期血圧(133.2[14.9]から122.9[16.0]mmHg;p=.02)やLDLコレステロール(91.7[26.1)から86.8[23.4]mg/dl;p=.001)に有意のある改善と関係していた。ランダム化の6ヶ月後、薬物療法の支持の継続は通常のケアに割り当てられたこれらの患者の間で69.1%(16.4%)に減少していたのに対して、薬局でのケアが行われた患者では95.5%(7.7%)のままであった。(p<.001) これは通常のケア群(-1.0mmHg;95%Cl.-5.9~-3.9mmHg;p=.04)に対して、薬局でのケア群(-6.9mmHg;95%Cl,-10.7~-3.1mmHg)は収縮期血圧において有意な減少と関連していた。しかし、LDLコレステロールでは2群の間に、違いや減少で有意差はなかった。

【結論】

 薬局におけるケアプログラムは、薬物療法の指示や継続、そして臨床的な意義のある血圧の低下を増加させたのに対して、プログラムの中断は薬物療法の指示や継続の減少と関連していた。

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