プロブレム・トークはプロブレム(問題)を生み、
ソリューション・トークはソリューション(解決)を生むのです。
(スティーブ・ド・シェーザー)
薬剤師2名のポートフォリオ導入事例について、昨年、自分の病院で報告をしたところ、たいへん好評をいただきました。一方で、経験という切り口だけでは学会発表するのに、いま1つ意義が見いだせませんでした。書きかけた短報 Brief Report は、そのまま引き出しにしまったのです。
1年がすぎ、幸運にも、プロジェクト学習の鈴木敏恵先生とご一緒させていただく機会をいただきました。神奈川県立こども医療センターの研修会をお手伝いさせていただいた際に、鈴木先生は、私が書きかけていた「薬剤師2名のポートフォリオ導入事例」を題材に教育的視点でシェアをしてくれたのです。
1.再構築は、まとめではない
たまった元ポートフォリオの再構築を、全部のまとめにしない。再構築とは、「テーマのもとに互いの考えを出し合い、根拠ある情報をもとに課題解決策を生みだし、プレゼンテーションの制作物を作り上げる場面」である。ただの片づけとまとめではない。再構築の条件は、1.自分(たち)の考えであること、2.根拠ある情報と概念図などをふくむこと、3.現実にこうすればできるという「具体的な提案」であること。「何のために作っているの?」「誰のために?」「そのために何か制作で工夫できる点は、ありますか?」というコーチングメッセージでやりとりをする。
2.明確な目標であること
まとめで終わらせないためにも、目標を明確にする。自分の目標を明確に決めることが、大事。そのためにも現実(いま)と対座し、根拠ある情報を得ていること。目標を決めるには、目的(願い)が必要。「問題」を「願い」に昇華せせる。本人のもっている現実のなかの「違和感」を大切にする。「いまはどうなの?」「じゃあ、どうなったらいいの?」「そのために、具体的に何を目標にするの?」というコーチングメッセージでやりとりをする。
3.自由さとのバランス
本人の自由に委ねることと、これらのプロジェクト学習がもっているフレームを守るということのバランスが、難しい。私は実際にスタッフや学生と経験をして「問題が非常に込み入っていて困難であるときに、その概念を単純なまま保ちつづけることに高度な訓練を要する」ことに気がつきました。そして、それがこのプロジェクト学習の面白さでもあると思っています。
神奈川県立こども医療センターの看護局のみなさま方、そして、鈴木敏恵先生、ありがとうございました!
気づき)
・自分の経験が、次の誰かに役に立つ機会
・私にとって何が課題だったか?もう一度、ふり返る
・俯瞰して、価値は見いだされる
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