研究結果を科学論文にまとめる:研究論文作成ガイドライン2. 仮説検定の報告
Documenting Research in Scientific
Articles: Guidelines for Authors* 2. Reporting Hypothesis Tests
Tom Lang, MA
(CHEST 2007; 131:317-319)
エビデンスの強さを測る尺度として1920年サー・ロナルド・フィッシャーにより提唱されたP値、仮説を採択すべきか棄却すべきかを判断する方法は、数学者のイェジ・ネイマンとエゴン・ピアソによって1930年代に編み出された。1頻度論的なアプローチは、いまや生物医学研究で、これしかないといわんばかりの使われようだ。理論はエレガントだが、一見して理解できるものだはない。
しかし、私たちは、それを使って判断をしなくてはならない。
今回は、「Tom LangおよびMichelle Secic著による「How To Report Statistics in Medicine」」の要約。仮説検定の内容で、ちょっと手ごわい。ガイドラインとして示された表題のみ、メモをしておき、詳細は原文にもどることとする。
Guideline:
State the Hypothesis Being Tested
Specify the Minimum Difference Between the Groups That Is Considered To Be Clinically Important
Specify the α-Level, the Probability Below Which Findings Will Be Considered To Be “Statistically Significant”
Identify the Statistical Test Used for Each Comparison
If Appropriate for the Test, Specify Whether the Test Is One-Tailed or Two-Tailed, and Justify the Use of One- Tailed Tests
Reference the Statistical Packages or Programs Used To Analyze the Data
Report the Results of All Primary Analyses First
Report the Actual Difference and the 95% Confidence Interval
Confirm That the Assumptions of the Test Have Been Met
Guideline: Give the Actual p Value, to Two Significant Digits, Whether or Not the Value Is Statistically Significant
Guideline: Indicate Whether and How Any Adjustments Were Made for Multiple Comparisons
Distinguish Between Clinical Importance and Statistical Significance
ガイドライン:
検証する仮説を述べる
臨床的に重要だと考えられる群間の最小差異を指定する
アルファレベル、すなわちそれ以下なら結果を「統計学的に有意」とする確率を指定する
各比較で用いた統計的検定を明記する
適切な場合は、検定が片側検定(one-tailed test)なのか両側検定(two-tailed test)なのかを指定し、片側検定使用の正当性を説明する
データの分析に使用した統計パッケージや統計プログラムを記載する
まず、すべての主要解析の結果を報告する
実際の差異および95%信頼区間を報告する
検定の仮定条件が満たされていることを確認する
値が統計学的に有意か否かにかかわらず、実際のP値を有効浮動小数点2桁まで記述する
多重比較で調整を行ったかどうか、および調整を行った理由を示す
臨床的重要性と統計学的有意性を区別する
これから)薬学生の長期実務実習開始、中途採用常勤職員1名、医療安全委員会
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