「日本の薬害」560文字の原稿

シンデレラ城のたもとのランプ

 薬害について、患者会から原稿のご依頼をいただきました。

 薬剤師として働きはじめた1年目に、「薬害エイズ」の訴訟を支援したことをきっかけに、薬害について思うことは多いのです。書くことと読むことの接点は、一期一会ですから、ついギュッと重点をぎゅっと詰め込んだメッセージになってしまいます…

 病気の治療や予防で薬を使うときに、日本の薬害を知っておくことは、重要です。
 なぜなら、薬害は副作用ではなく、先進国で繰り返されているのは日本だけであり、薬害が引き起こされる社会構造は、いまも変わりないからです。
 まず、副作用とは、薬物を投与したときに発現する有害かつ予期しない反応です。あらゆる薬には、多かれ少なかれ副作用がありますから、失くすことはできません。一方、薬害は、有害に関する情報が軽視・無視されて医薬品が使用された結果、社会的に引き起こされる健康被害です。つまり、薬害は人的な災害であり、本来、避けることができるものです。
 また、残念ながら、日本は世界でも薬害大国といわれています。薬を承認する厚労省の体制が十分ではなく、疫学などの教育も十分ではないからです。健康についての国家予算が少ないことも原因でしょう。
 薬害が引き起こされる社会構造は、いまも変わりありません。「構造薬害」(片平洌彦著)では、医薬品の適正な評価をし、安易に薬物療法をしないという医療従事者や国民教育といった「薬害を防ぐ力」が、国や製薬会社が利益を重視し、安全性を軽視して「薬害を引き起こす力」に、負けた時に発生すると指摘されています。
 薬は、そもそも不完全な商品です。患者さんは「命がけ」で薬を使います。薬害を常に想定しながら、薬と付き合える姿勢が求められています。

 583文字なので、字数オーバーなのです。
 あとは、編集者にお願いしよう…

もとねすメモ)テーマの切り方次第で、いろいろ

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