ジゴキシンを飲んでも死亡率は下がらないけれど、入院はしないかもしれない。
1997年にこの結果を知ったときには、ショックだった。ジゴキシンで長生きができると思っていた。小さなあの錠剤を一生懸命服用しているご高齢の患者さんの姿。
薬の効果って、何だろう。EBMなどのグループワークで、「33人に1人は入院しないんだから、家族の負担は減るよ。」といわれて、気持ちが少し楽になったことを思い出す。
The effect of digoxin on mortality and morbidity in patients with heart failure.
N Engl J Med. 1997 Feb 20;336:525-33.
───────────────────────────────────
デザイン:RCT
対 象 :左室駆出力0.45以下の平均63歳の6,800名
方 法 :ジゴキシン(3,397人) vs. プラセボ(3,402人)[平均37ヶ月]
結 果 :1)死亡 ジゴキシン(1,181人) vs. プラセボ(1,194人)
[RR0.99, p=0.8]
2)入院 ジゴキシン( 910人) vs. プラセボ(1,180人)
[RR0.72, p=P<0.001]
───────────────────────────────────
死亡率は改善しない。
でも、入院はしないかもしれない(上がプラセボ、下がジゴキシン)
(Visited 69 times, 1 visits today)
コメント