「手洗いをしよう!キャンペーン」で、MRSAは減少する

Lancet. 2000 Oct 14;356(9238):1307-12.

Effectiveness of a hospital-wide programme to improve compliance with hand hygiene. Infection Control Programme.

【背景】

 手指衛生は、病院の交差感染を予防する。しかし、推奨されている方法の遵守は一般的に低い。われわれは、ベッドサイドでのアルコールベースの手指消毒剤を用いて、広域病院プログラムを実施し、手指衛生の推進を試みた。同時に、院内感染率を評価した。

【方法】

 1つめのアウトカムは、手指衛生キャンペーンを実施する前と、実施中に、スイス・ジュネーブの教育的医療機関で、通常の患者ケア中に、全体の遵守率をモニターした。7つの広域病院で、1994年12月から1997年12月まで年2回調査を実施した。2つめのアウトカムは、院内感染率、MRSAの発生率と手指消毒剤の消費量を評価した。

【結果】

 われわれは、手指衛生で20,000回以上の観察を行った。遵守率は、1994年の48%から、1997年の66%に徐々に改善された(p<0.001)。石けんと水による手洗いは横ばいだったが、手指消毒剤の使用頻度は、研究期間で実質的に増加した(p<0.001)。この結果は、好ましくない結果を導くpoor adherence既知のリスクファクターの補正後も変化がなかった。手指衛生は、看護師と看護助手では有意に改善したが、医師は低いままであった。同じ期間の全体的な院内感染率は減少し(発生率16.9% in 1994 から 9.9% in 1998; p=0.04)、MRSAの伝播率は減少し (2.16 to 0.93 episodes per 10,000 patient-days; p<0.001)、アルコールベースの手指消毒剤の消費量は、1993年~1998年までの間、1000 patient-daysで3.5Lから15.4L増加した。

【解説】

 キャンペーンは手指衛生の遵守率の継続的な改善を促進し、同時に院内感染とMRSAの伝播が減少した。ベッドサイドでの取り組みで、抗菌剤の手指消毒剤は、遵守率の増加に大きく貢献した。

 ポスターの見本は、こんな感じ

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コメント

  1. tak より:

    Hi, sorry for the sudden comment though, I have some questions about hand shygiene in Japan. Currently I am reseraching on Japanese hospital hand antiseptics market. As you mentioned about the amount of consumption as 15.4L in 1998. Do you have any evidences about current consumption of hand antiseptics at Hopsitals in Japan? And if you know some good information/websites, can you give me advices? I really appreciate your response. (You could write back in Japanese.) Thank you.

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