言葉は、もともと不自由な道具だから

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(MotoNesu Original)

衣服にせよ友人にせよ、新しいものを手に入れようとあくせくするのはやめたほうがいい。古いものを裏返して使えばいい。古いものに立ち返るのだ。ものが変わるのではなく、僕たちが変わるのだ。衣服は売り払っても、思想は守ろう。

『孤独の愉しみ方』ヘンリー・ディヴィッド・ソロー

 ミーティング中に院内携帯が鳴り、仕方なく出た。

 「あのー、、、仕事じゃないんだけどーっ」というその声は、保険薬局に勤務する高校の先輩薬剤師。・・・まずい。また、たぶん、お願いごとだ。「大丈夫です。何でしょう?」と、最愛の意思表示。どんな無理難題が飛び出すかと身構えて、ミーティングルームを出ると「10月の総会で、薬剤師向けに原発の話をしてくれる講師を紹介してくれ」という依頼だった。

 問題はそこから。

 大先輩には、それ以上のリクエストがない。考えずに電話してきたのだ。「誰に?、どんな話で?、何を期待するのか?」すら、考えていない。時間だけいってあとはお任せという「丸投げ依頼」は、できればお断り。良質な質問がなければ、対話は生まれないからだ。

何度も何度もイシユー

 先輩に、1つ伝えたこと。「解くべき問題か?」

動的な学びか?

 2つ目に、伝えたこと。「知識の伝達ではなく、個人を変化させてほしい」

言葉という不自由な道具

 3つ目は、伝えなかった。気づきや、やる気はあるのに、それを整理したり、見せることができないのは、不自由であると、話しながら感じた。言葉は、もともと不自由な道具だから、使い方を訓練しないと使えない。先輩からの電話は、不自由さの叫びであって、私は気持ちが傷んだ。

 お土産に、大先輩には、こう付け答えた。

 キツイこといって、すみませんでした。

 「災害時のマネジメントで、薬事委員会が果たす役割は何か?」という視座で、私には1つ提案があります。それは、「あらためて、薬を配ることが、私たちの仕事だ」ということです。3月の震災後、病院、地域全体で、防災体制について見直す絶好の機会なのに、職員も、管理者も「レビューなし」で、日常タスクがはじまっている。医療支援がんばった!の報告は、もちろん成果です。

 一方で、整理する課題は、1)薬の準備策として、logistics=兵站のロジックを学ぶ必要がある。2)災害発生時には、bricolage=器用仕事(あるもので何とかする)が、Clinical Pharmacistとして求められる。3)そのことを、Performance Reviewできる仕組みを作ること。薬剤師には、FIPの”THE ROLE OF THE PHARMACIST IN CRISIS MANAGEMENT”は、参考になるかも。

 そういう話ができる講師の話をききたいです。

 これからも、生意気な後輩でいようと思います。

気づき)

 ・考える成果が多すぎて、手も時間も足りない

 ・ピンボケな質問も、歓迎

 ・本当に仮説を作らないといけないことは、別の世界にある

I 孤独が一番の贅沢

II 簡素に生きる大切さ

III 心を豊かにする働き方

IV 持たない喜び

V 自然の教え

・2010年読んでよかった本10冊

・イシューを見極める1週間の予定

・課題設定から解決までに効く3冊

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