重症薬疹をいつも想定していること

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 飯島 正文(昭和大学医学部皮膚科)先生の「重症薬疹」レクチャー@第40回日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会から、学びメモ。

「今日は、ぜったいに聞いてよかった、という話をします」こういう始まり方の講演は、本当にいい講演であることが多い。伝えることが明確で、「参加者へのお持ち帰り」が明確だから、です。

ポイント)

1.軽症から重症まで、臨床症状から薬疹、医薬品を推定することはできない。

2.だから、薬疹を疑って診断にはいる(どの薬が起きやすいか知っていること)

3.薬剤師は、はやめに皮膚科に紹介する

なぜなら)

 ・「重症薬疹」=生命予後を脅かす、重篤な障害を残す

 ・たとえば、TEN、SJS、DIHS。

・TEN>SJSで一連の疾患。TENは全身の10%以上、サブタイプとしてSJS進展型。つまりTEN,SJSではなく、TEN>SJS。

・SJS=口唇炎、結膜炎、発熱、全身性紅斑。

・ヘルペス、水痘とまちがいやすい。どこで見分けるか?、重症化しているか?

 全身症状=発熱、倦怠感(→SJS,TEN疑い)

 粘膜症状=口唇びらん、結膜炎、咽頭炎(→SJS,TEN疑い)

・DIHS(ディース:薬剤性過敏症症候群Drug-induced hypersensitivity syndrom)は、平成17年改定以降のバルプロ酸の添付文書に、わかりやすいサマリがある。2005年診断基準あり。

初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。(デパケン添付文書より)

 ・限られた医薬品で、遅発性に生じ、急速に拡大する紅斑。目のまわりはキレイ、パンダ様。

 ・頻度が高いのは、「抗てんかん薬、アロプリノール、サラゾスルフアピリジン」

 ・転帰は、免疫不全や感染症などで10%死亡。

・実際は、たいていはEM major(多形紅斑様発疹)。いたずらに怖がらない。

・しかし表皮細胞が溶けていたらSJS、TEN=甘くみない早期対応

・ただちに皮膚科専門医に

これから)

法人薬事委員会、類似医薬品の医療安全ニュース、職責者会議、職場会議、週末のEBM合宿の打ち合わせ、TDM対象症例の抽出

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