先日お亡くなりになったフランスの思想家、クロード・レヴィ=ストロース(Claude Levi-Strauss)氏は、著書『野生の思考』(1962年)で、「ブリコラージュ(Bricolage)」という生き方を贈ってくれた。
ブリコラージュ(Bricolage)は、「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」こと。「器用仕事」とも訳される。元来はフランス語で、「繕う」「ごまかす」を意味するフランス語の動詞 “bricoler” に由来する。(Wikipedia.jpより)
本来の用途とは関係なく、必要なモノや技術、理論を作り出して、当面はやり繰りする。
手元にあるもので、生きていこう!
という覚悟だと、受け止めている。
論文がないと、すぐに私は思考が停止する。
そんなときにメンターからのメッセージを思い出す。「CDCだって、何だってありゃしない。日本も大切にしたほうがいい。」
なんて、乱暴な言葉だろう、と受け止められなかったが、彼女がやっていた方法は、足下で考えてやり繰りするブリコラージュそのものだった。
米国CDCガイドラインの推奨項目は、約半数においてRCTが存在しておらず、科学的に感染症発生率への影響を評価する根拠を得ることが困難な項目も少なくない。すなわち質の高いエビデンスがないのである。このように、すべての感染対策にエビデンスを求めることは不可能であり、そのような場合の考え方のよりどころは「理論的な合理性」である。
感染対策の大御所の先生方も、こうおっしゃる。(日本病院薬剤師会が、感染制御認定薬剤師の推奨しているテキスト)
堂々と、考えてやろうじゃないか。
ブリコラージュ。
いまある手元のもので、あなたは何を、導きますか?
- 作者: クロード・レヴィ・ストロース,大橋保夫
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