ジゴキシンの血中濃度に最適値があった。当時はショックだった死亡率論文。

 N Engl J Med. 1997 Feb 20;336:525-33.

 ぜったいにjournalを読もう!、と決めたのはこのころ。

f:id:MotoNesu:20090207135411g:image

────────────────────────────────

・大学時代に習ったジゴキシンの有効域は、0.5~2.0ng/mLであった

 →しかし、男性における死亡率の改善は、0.5~0.8ng/mLのみであった

・むしろ、1.2ng/mL以上の濃度は、死亡率を高めるリスクもある

・女性の有効域は不明。

────────────────────────────────

Association of serum digoxin concentration and outcomes in patients with heart failure.

 JAMA. 2003;289:871-878.

 ジギタリス試験(DIG試験)のサブ解析。

【背景】

 ジギタリス調査グループ(DIG)の臨床試験によると、ジゴキシンは全死亡率を改善せず、心不全や左心室収縮機能障害の患者にほんの少しの入院率を減少させると報告している。DIG試験における血中濃度の違いによるジゴキシンと臨床上のアウトカムとの関連は、評価されていない。

【目的】

 血清中のジゴキシン濃度(SDG)のパターンと、心不全患者の死亡率と入院との関係を評価すること。

【方法】

 無作為化、二重盲検、プラセボ対照のDIG試験の事後解析(Post hoc analysis)で、 1991年8月から1995年12月までに、左心室駆出分画率は45 %以下の男性の主な分析した( n = 3782 )。無作為に割り当てられているジゴキシンを投与されている患者は、血中濃度で1カ月ごとに3グループに分けて( 0.5~0.8ng/mLが572名、0.9~1.1ng/mLが322名、1.2ng/mL以上が277名)、無作為に割り当てられたプラシーボを受ける患者と比較した( n = 2611 ) 。

【主要なアウトカム】

 あらゆる原因による死亡を、37ヶ月間フォローアップした。

【結果】

 血中濃度が高いほど、あらゆる原因による死亡率と関連性があった( 0.5~0.8ng/mLが29.9%、0.9~1.1ng/mLが38.8%、1.2ng/mL以上が48.0%; P = .006)。0.5~0.8ng/mLの血中濃度の患者は、プラセボと比較して、6.3%(95 %信頼区間:2.1 -10.5 %)と低い死亡率であった。0.9~1.1ng/mLの血中濃度の患者は、死亡率の低下とは関連性がなく(2.6%増加、95%信頼区間-3.0~8.3%)、さらに1.2ng/mL以上の血中濃度の患者は、さらに死亡率が11.8%増加(95%信頼区間5.7~18.0%)した。血中濃度と死亡率は、多変数の調整後に永続的な関連性があった(0.5~0.8ng/mLのハザード比は0.80(0.68~0.94)、0.9~1.1ng/mLが0.89(0.74~1.08)、1.2 ng/mLが1.16(0.96~1.39))。

【結論】

 高い血中濃度が死亡率の増加と関連しており、心不全で左心室駆出分画率45 %以下の男性におけるジゴキシン療法の有効性は、おそらく、血中濃度の最適化された範囲は、0.5~0.8ng/mLであることを示した。

(Visited 20 times, 1 visits today)
カテゴリー: EBM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です