*写真は、丸善ホームページより
森鴎外が『洋学の盛衰を論ず』でいうように、「何のために働いているのか」を諭す書は多い。くり返す薬害の原因は、絡み合った利益相反conflict of interestでできている。
利益相反とは、いわば部分感情ともいえる。相手のために、といいながら自分の利益をとる。部分感情による行動は、個々の問題を解決しているように見えるが、全体に多大な損害を被る。
自分が見えている世界がすべて、と見誤らないために部分感情にサヨナラするためには、どうすべきか?
情報は教養の道具ではない
生きるために情報がある。情報の氾濫をひっくり返して、いったんすべてシャットダウンして、枯渇してみる。自分は何がほしいのか?、わかるかも知れない。
「検索型アプローチ」ではトレーニングにならない。本の前に立って、じっと本を眺めて、手にとって考える。これが重要なのである。なぜか。情報と情報の相関は、表題だけではわからないことが多いからだ。「なぜ、この本がここに?」と思ったら、目次を開いてみる。すると、表題からは伝わらなかった斬新な切り口が見えたりする
著者は、古本屋通いを勧める。神保町の古本屋か・・・と思ったが、丸善丸の内本店4階には「松丸本舗」がある。ここには、編集工学の松岡正剛さんが「日本に知をいかに鐙(とも)していくか」という丸善のミッションとの共同プロデュースした書店が入る。
ふつうの書店は、売れ筋が並ぶ。しかし、松丸本舗には関連が並ぶ。だから、棚1つの表題を眺めるだけでも相当頭が飛ぶ。よく読む「デザイン」「WEB」「哲学」のコーナーに立ち寄ると、たしかに大切な本が古くも新しくもギュッとつまっている。松丸本舗を1周すると、いかに自分が小さいのか?、気づく。
30分のラウンドでできる宇宙体験。
わたしたちは、「世界を知る」という言葉を耳にすると、とかく「教養を高めて世界を見渡す」といった理解に走りがちである。しかし、そのような態度で身につけた教養など何の役に立ちはしない。世界を知れば知るほど、世界が不条理で満ちていることが見えてくるはずだ。その不条理に対する怒り、問題意識が、戦慄するがごとく胸にこみ上げてくるようでなければ、人間としての知とは呼べない。たんなる知識はコンピュータにでも詰め込んでおけばいい。
薬害という不条理をくり返さないためにも
部分感情から、全体知へ。
多摩大学学長の著者が次の時代の人たちに!、と書き下ろした1冊。読むなら、はやいうちがいい。
- 作者: 寺島実郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 118回
- この商品を含むブログ (47件) を見る
これから)
昨日、久しぶりに走ったので余力なし。図書館、クリーニング、お参り、MacBookの手入れ。
松丸本舗で紹介されていた100冊選
- 作者: 朝日新聞学芸部
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1994/08
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: 朝日新聞学芸部
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
コメント