集中治療室 (ICUs) に入院している期間が長いと感染率が増加する、らしい。
集中治療室における感染の発症率とアウトカムの国際的研究
International Study of the Prevalence and Outcomes of Infection in Intensive Care Units [Caring for the Critically Ill
JAMA. 2009 Dec 2;302(21):2367-8.
背景:感染症は、世界中の集中治療室 (ICUs) において、有病率と死亡率の主な原因となっている。しかしながら、その感染についての世界的に疫学的で有益な情報は、ほとんどない。
目的:ICUにおける感染の程度とパターンについて、最新の国際的なイメージを提供すること
デザイン:The Extended Prevalence of Infection in Intensive Care (EPIC II)研究で、1日における、前向きの2007年5月8日の時点での有病率について経過を追った。人口統計、生理学、細菌学、治療学、そしてアウトカムにおけるデータが、調査日において75の国々から、1,265の集中治療室の協力で、14,414名のデータが得られた。解析は、13,796名の成人(18歳より年上)のデータについて行った。
結果:調査日において、13,796名の患者のうち、7,087名の患者(51%)が、感染と考えられた。9.084名 (71%)は、抗生剤を投与されていた。感染は、呼吸器によるものが、4,503名 (64%)で、微生物学的な培養の結果は、感染患者のうち4,947名(70%)で陽性だった。陽性で分離されたもののうち、62%がグラム陰性菌で、47%グラム陽性菌で、19%が真菌だった。集中治療室により長く入院している患者は、調査日においてより高い感染率を示し、とくに耐性のブドウ球菌、アシネトバクター、シェードモナス類やカンジダ類への感染が顕著であった。入院患者の死亡率(33% [2201/6659] vs 15% [ 942/6352], P < .001) (adjusted odds ratio for risk of hospital mortality, 1.51; 95% confidence interval, 1.36-1.68; P < .001)と比較して、感染症によるICU患者の死亡率は、非感染患者と比較して2倍以上であった (25% [1688/6659] vs 11% [ 682/6352], ; P < .001),
結論:最近の集中治療室にいる患者にとって感染症は共通のもので、感染のリスクは、集中治療室への入院期間によって増加する。この大規模なコホート研究で感染症は、入院による死亡の増加とは独立した関係にあった。<<
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