2010年に数々の新薬の特許が切れ、画期的な新薬がこれまでに以上に発売されにくい状況にあるという。ARB/HCTZ combinationは、すでに国内で4剤が発売されているし、ARB/CCB combinationも厚労省に申請中だという。ARB/CCB/HCTZ combinationも発売も時間の問題だろう。
「1日の服用錠数、服用回数を少なくすることがアドヒアランスを向上する」とは、研究の結果を待たずともわかった話だ。
(ちなみに、論文としては、How can we improve adherence to blood pressure-lowering medication in ambulatory care? Systematic review of randomized controlled trials. Arch Intern Med 2004;164: 722-32.で評価され、 Simplifying dosing regimens increased adherence in 7 of 9 studies, with a relative increase in adherence of 8% to 19.6%.と報告されている)
原則として医療用医薬品の配合剤を認めないとする承認方針をとっていた(輸液などは例外)厚生労働省が、「患者の利便性向上に明らかに役立つもの」も認めることとする」と通知したのは、2005年3月。
そして、国内で初のARB/HCTZ combinationで、「プレミネント」(Losartan 50mg/HCTZ 12.5mg)が万有製薬から2006年に発売。
国内の高血圧学会のガイドラインも、2004年には「単剤で効果不十分な場合は併用療法」(JSH2004)とされていたが、2009年には、
・1日1回投与のものを選ぶ
・単剤の投与でコントロールできることはまれである
・高リスクの場合は、初期から併用療法を考慮する(RA+利尿剤、RA+Ca拮抗剤、Ca拮抗剤+β遮断剤)
(JSH2009)
欧州は、もっとはやくに腹を決めていて
合剤は、血圧のコントロールを継続的に維持することができる。しかし、腎疾患や他の複合的なハイリスクの高血圧については、3剤目、4剤目が必要なことがある。
(ESC-ESH2007)
としている。
たしかに患者アドヒアランスは大切だ。合剤を選択する理由は、「飲みやすいから」に尽きる。
アドヒアランスのが血圧を下げる重要なファクターで、アドヒアランスそのものが高血圧治療の50~70%を占める。そして、「長期的な治療」の重要性は、最近のWHOで主要な報告されている通りだ。
Despite the availability of effective treatments, the control of high blood pressure in the community is far from optimal, with lack of adherence to blood pressure lowering medication being a major factor. Adherence in patients with treated hypertension is estimated between 50% and 70%, and the importance of improving adherence to long-term therapies has recently been addressed by the World Health Organization in a major report.
(How can we improve adherence to blood pressure-lowering medication in ambulatory care? Systematic review of randomized controlled trials. Arch Intern Med 2004;164: 722-32.)
それだけの理由?とは、医療従事者側の都合か?
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