新型インフルエンザの流行後、人々の行動は変わったか?英国で電話調査が行われた。37.8%が手洗いなどの何らかの行動変化を起こし、人混みを避けるなどの「避けるべき行動」は4.9%しか実施されていなかった。
行動を変化させる要因、妨げる要因も整理されている。
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Public perceptions, anxiety, and behaviour change in relation to the swine flu outbreak: cross sectional telephone survey
[目的]新型インフルエンザの流行で、英国の市民の行動が変わったか、評価する。
[方法]random digit diallingを使ったCross sectionalの電話調査。5月8~12日の間に電話で調査した。997名で、新型インフルエンザについて聞いたことのある英語が話せる18才以上の成人。推奨される行動(手洗いや表面を清潔にする、もしくは友人と発病した場合の対応について話し合う)、避けるべき行動(人混みや公共交通機関を避けるなどの6項目のうち1つ以上)の変化
[結果]377名の対象者のうち、37.8%が、何らかの推奨される行動変化をおこしており、「過去4日間について・・・新型インフルエンザだから」と答え、4.9%(49名)が、避けるべき行動を実施していた。行動履歴や心配を調整するのに、推奨された変化は、新型インフルエンザが深刻で、感染するリスクが高く、アウトブレイクが長くつづくことが予想され、当局が信頼され、良質な情報が提供され、人びとが罹患リスクをコントロールでき(注意深さで)、特異的な行動がリスクを減少させられる点だった。アウトブレイクについて理解できないこと、アウトブレイクがメディアで強調されていることついては、変化についての関与が低かった。もっとも強力な行動変化の因子は、民族性であり、少数民族において変化があり、推奨される行動はオッズ比 3.2, 95%信頼区間 2.0 to 5.3) 、避けるべき行動 (4.1, 2.0 to 8.4)の変化だった。
[結論]結果から、特異的な行動がリスクを減少させるという公共の情報と、政府の計画と情報について共有することに効果があった。アウトブレイクは「やりすぎ」であったかも知れず難しさもあったが、重要な認識とするには価値があった。民族間におけるアウトブレイクへの反応の違いについては、さらなる調査が必要である。
(英国で推奨している行動3つ)
・水と石鹸での手洗いの頻度を増やす。
・ドアノブや電話機などの表面を清浄し消毒する頻度を増やす。
・友人や家族と、誰かが発病した場合の対応について話し合う。
(英国で推奨している「避けるべき行動」6つ)
・外出を避ける。
・公共交通機関の利用を減らす。
・仕事を休む。
・店の中に入るのを減らす。
・子供を学校や保育所から休ませる。
・人込みを避ける。
(厚生労働省「新型インフルエンザに関するQ&A」5月22日版)
・手洗い
・うがい
・ウイルスが粘膜を通して感染するため極力鼻や口などを触らないようにする
・咳やくしゃみ等の症状のある人には必ずマスクをつけてもらう
・必要のない外出(特に人が集まる場所)をひかえる。
Being uncertain about the outbreak and believing that the outbreak had been exaggerated were associated with a lower likelihood of change.
情報が理解できなく誇張されているとき、人は行動変化を起こさない。
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