英国の介護施設における高齢居住者のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の保菌率

 CDCが院内感染ではなく、医療関連感染(HAI;Healthcare Associated Infection)と呼ぶようになってから久しい。それは、たしか2007年「隔離予防策のためのガイドライン:医療現場における感染性微生物の伝播の予防, 2007年」から。このガイドラインで医療現場が急性期病院から長期ケアや在宅医療にも拡大し、成立した場所を確定することが困難だから。

 このガイドラインの戦略の重要性を強調する報告が、当時からちらほらでてきていた。

 英国の介護施設における高齢居住者のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の保菌率

 Prevalence of methicillin-resistant Staphylococcus aureus colonization among older residents of care homes in the United Kingdom.

 Infect Control Hosp Epidemiol 2007; 28: 853-859

(目的)

 英国の介護施設に居住する高齢居住者のMRSAの保菌率を調べ、

 居住者や介護施設の保菌の危険因子を特定した   

(方法)

 介護施設39カ所の居住者715人にMRSAを含む黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌の検査

(結果)

 →159人がMRSA陽性であった(感染率22%)。

  ★病床に対する看護師の比率が低い施設への入所、

  ★貧困地域の介護施設への入所、

  ★男性

  ★侵襲性器材の存在

  ★および過去2年間の10日超の入院期間

  → MRSAの保菌に独立して関連

(コメント)

 介護施設集団内はMRSAの大規模なリザーバ( a large reservoir of MRSA)であり、介護施設と病院の間で制御戦略を調整する必要がある

・今後も「介護施設などをふくむ医療関連感染」が突然&大量に増える?、

・対策は、ベッドあたりの看護師増加、入院期間を減少させる、侵襲的デバイスをきちんと管理

・MRSAの大規模なリザーバ(a large reservoir of MRSA)とは?

・介護施設-病院間の制御戦略は、どうなっていればいいのか?

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