「もたらせる人」と働きたい

ヒキダシカフェ

 「新しいスタッフを選ぶとしたら、どういう人と働きたい?」と聞かれました。

 ちょっと間を置いて「もたらせる人」と答えました。もたらすとは「齎す」という、見た目にも複雑な漢字を書くようです…

 「もたらす人ってすごく良さそうな気がするから、ちゃんと文章にしておいて!」と、リクエストをいただきましたので、このブログにメモをしておきます。

 そもそも採用試験をするときに「どういう人と働きたいのか」私は明確に考えていませんでした。採用試験って、会ってみないと、書類を見てみないとその人のことはわからない。そもそも「どういう人と働きたいのか?」という発想をする空間が、私の脳にはなかったのです。ですから、その問をもらったときに、そういう空間があって、そこは私は空っぽだったことに気づきました…

 だから、すぐには返事ができません。
 ぽんやり。

 何か言わなきゃ、という焦りと同時に、何が自分から出てくるのだろう、という期待に身を任せて、放ったのが「もたらせる人」です。

 さて、私の言わんとする「もたらせる人」とは、与えられる人とは違います。与えられるの場合は、受け手側に、受け止めるという動作が求められてしまう。「施せる人」というのも、ちょっと違う。施しの場合は、やってあげる感じがする。もたらせるは、それほど能動的なギブではないのです。

 もたらすの場合は、その人を中心として同心円上に、作用をしはじめていて、受け手になる周りの人は、作用されていることに気がつくこともないかもしれない。でも、そっと耳をすませば、それは、間違いなく、私に届いている。引き起こされることの源泉が、その人なのです。そして、それはその人の本来持っている能力が、関係性のなかで機能しているときに発揮される。実は、誰にでもそうなれるもの。それが、私の言う「もたらせる人」です。

 そういう人って、いますよね?
 貴重です。

 
 「もたらせる人」という答えは、あまりに抽象的で、結局は採用基準とかになりそうもないのですが、本気でほしい人材です。

もとねすメモ)やっぱり未来を開くのは、問い

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