HIV治療もDOTSですか?

 HIV治療の内服も、直接付き添いで服用を確認?

 HIV治療において医療者による直接付き添いは、自己管理とくらべてウイルス量の低下のアウトカムで、有効性は示さなかったという報告。

The Lancet, Volume 374, Issue 9707, Pages 2064 – 2071, 19 December 2009

抗レトロウイルス治療における医療者による直接付き添い(観察)治療:ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタ分析

Directly observed antiretroviral therapy: a systematic review and meta-analysis of randomised clinical trials

f:id:MotoNesu:20100119061518j:image

背景:HAART(highly active antiretroviral therapy)のHIV感染患者におけるアドヒアランスの改善に、直接観察治療(医療従事者が付き添う)が推奨されているが、このアプローチの有効性とコスト効果については、最終的な結論がでていない。抗レトロウイルス治療における直接観察と自己管理についてランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタ分析を行った。

方法:成人における抗レトロウイルス治療のアドヒアランスを促進している直接観察治療を評価しているランダム化比較試験を特定するために、検索可能なメジャーなHIV会議のウェブサイトや、一般的な論文、そしてウェブサイトから、データベースを再現した。第一のアウトカムは、研究終了時のウイルス抑制。相対危険度(95%信頼区間)とランダムエフェクト法を用いて、蓄積されたデータを解析した。

結果:12の研究が、基準に該当した。そのうち4つは、乏しいアドヒアランス(違法ドラッグの使用者やホームレス)によるハイリスクと判断した。10研究が第一のアウトカムについて報告をしており(n=1862)、直接観察による治療と自己管理による治療の相対危険度は、1.04(95%CI0.91~1.20,P=0.55)であり、研究間には中程度の異質性 (I2= 53.8%, 95% CI 0.75~7, p=0.0247) があった。

解説:直接観察による抗ウイルス薬治療は一般的な患者のアドヒアランスを支援するアプローチとして、、自己管理治療を上回る有益性を、示さなかった。

資金提供:なし

 ちなみに結核のDOTSは、95年に「Directly Observed Treatment, Short-course=DOTS=直接監視下短期化学療法」という名前がついたが、WHOのガイドラインその他では「DOTS」を上記のような略語として扱っておらず、「DOTS戦略=WHOの5つから成る結核対策戦略」とし、「効果的な結核対策のための枠組み」のような分かりにくい名称ではなく、「DOTS戦略」という「ブランド名」に置き換えた。

 ネーミングは、大切。

これから)薬局長会議、リカバリー室の祖母の付き添い。のどが痛いので、ランニングやめ。まずなー。

(Visited 23 times, 1 visits today)

コメント

タイトルとURLをコピーしました