IMG 2009

 「受付して、参加賞だけはもらってきたら?」そういって、彼女は電話を切った。

 「うん」と答えた私は、半年前から予定していたハーフマラソンの大会会場の受付へ向かった。しばらく呼吸の調子が悪く、2日前の受診で気管支喘息と診断され、そもそも大会参加は断念してた。

 ちょうど昨晩、映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」で、サラ・ジェシカ・パーカーが「嘘をつかない」という行動を貫き、パートナーとの破天荒があるものの予定調和で結ばれるストーリーに刷り込まれた私は、参加賞だけもらってくる、という私の行動基準にはないことを承諾してしまったことを後悔しながら、ゆっくりと大会受付へ。割引券を持ってレジに並ぶ、スーパーマーケットの食材を試食する。私ひとりなら、絶対にやらない試練を、これまでも乗り越えてきましたなぁ、と思い出しながら。性格の不一致は覚悟の上で、正直に取り組むという行動は、新しい世界を見せる。

 走らないと決めた上で、終了間際の参加受付へ駆け込むと、ボランティアの受付スタッフから、予定どおり参加賞のTシャツをもらい、予定どおりタイム測定のチップをもらう。すると、その瞬間に「5キロくらい、ゆっくり走ってみようかな。」と気持ちが湧いてきた。

 そのままラン。
 ほとんど歩いているくらいのスピードで。

 制限時間で、ストップの声をかけられるまで。そう決めて、5キロをすぎても、10キロをすぎても制限時間以内にクリア。行けるところまで、行ってみよう、ゆっくりと。15キロを過ぎ、最終ランナーのグループに。そろそろタイムアウトかな、と思うのも束の間、制限時間2時間30分ギリギリで、ハーフマラソンを完走してしまった。

 性格の不一致こそ、使いよう。

気づき)トレーニングをして完走した時とは、違う達成感を、ありがとう。






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カテゴリー: Essay

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