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 手詰まりになって、窮地に陥ると、自分の限界を感じます。知識と経験を頼りに、視野は一層狭くなり、結果的に最悪の決断をしてしまう。でも、知識や経験にもとづいた素養は「自分の感触」の感触として、大切にしたいものです。そして、この「自分の感触」をさらに豊かに育てる唯一の方法は、「知らないこと」を知る、という姿勢だと思います。

 というのも、いま手元にある”student’s guide college paper’s”というテキストには、“These days the key to most jobs is not just how much you know, but how good you are at finding out what you don’t.” と、記されているからです。自分が知らないということをどれだけ優れて見つけ出せるか、がポイントのようです。

 さらに、ソクラテスの言葉も思い出されます。「知らないことを知っていると思い込んでいる人々よりは、知らないことを知らないと自覚している自分の方が賢く、知恵の上で少しばかり優っている」。知らないことの自覚は、知恵として優れているのです。

 論語には、もっとはっきりと「無知の知」と記されています。子曰、由、誨女知之乎、知之爲知之、不知爲不知、是知也。知っていることを知っていると認め、知らないことを知らないと認めることが「知る」ということだ、と。

気づき)自分が知らないという状態は、不安定で、落ち着きのないものです。弱々しくも、脆くも見えます。でも、自分の経験や知識という感触を知る術は、知らないことを知っている輪郭です。ですから、無知についても自覚するということは、結果的に、経験と知識から育まれた自己感触をさらに、豊かにしていくのだと思います。






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カテゴリー: Essay

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