家族歴の聴取をする理由


D

 「生きたい時間を生きる」(引用元が思い出せない。もしからしたら、自分語かも知れない。)。

生きたい時間を生きる。もうそろそろ、時間がない。

 たくさん遊んだか?

 たくさん学んだか?

 人生を味わい尽くしたか?

 人間はそれぞれふさわしいときに消えるのが望ましい。自然は他のあらゆるものと同様、生きるということについても限度を持っているのだから。因みに、人生における老年は芝居における終幕のようなもの。そこでへとへとになることは避けなければならない、とりわけ十分に味わい尽くした後ではな。

 キケロMarcus Tullius Ciceroも「老年について(Cato major de senecutute)」でいうように、人生は十分に味わい尽くした後に、余裕を持った幕引きが望ましい。

 ワークライフバランスは、WORK in LIFE のバランス(生活の中の仕事バランス)ではなく、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活は別で、そのバランス)だと思っている。

 だから仕事は時間で終え、時給が上がる努力をしたい。

 単純に時給なら昇格することが簡単な方法だ。しかし、ライフでいい時間をすごすためには、仕事も私生活も含めた「段取りの整理」の整理こそが、必要だ。

 簡単にうまくいった方法は、GTD(Get Things Done)の3つの方法。

1.やることすべて、inboxにいれる(メモでも、現物でもいい)

2.仕分けをいする

  ・捨てる

  ・次のアクション別にわけるか;人、オフィス、自宅、ネット、買い物など

  ・日付指定ならカレンダーに書く

3.レビューする

Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity

Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity

これで、

 やることを、頭にいれない

 整理をしたいことといえば、ルーチンで行われる行為。たとえば、家族歴の聴取は、どのくらい意味があるのか?

 遺伝、同じ集団で環境暴露されているという点で、家族歴は確かに、家族内におけるリスクの集積を示す。すでに、疫学的な根拠として、家族歴と多くの慢性疾患のリスクの関係がしめされている(日本からの報告も→Relationship between development of diabetes and family history by gender in Japanese-Americans. Diabetes Res Clin Pract. 2003;61:109-15)。

 そして、家族歴を知っていることは、習慣を変える動機にもなるかも知れない(Familial risk for common diseases in primary care: the Family Healthware Impact Trial. Am J Prev Med. 2009;36:506-14.)。

ふーん。

で、家族歴を聞くことは、どのくらい有用なのか?

システマティックレビュー:一般的な疾患Common Diseasesのリスク評価のための家族歴

Systematic Review: Family History in Risk Assessment for Common Diseases

Ann Intern Med. 2009 Nov 2

背景:初期治療primary careにおいて、いつも決まって家族歴を聴取することの有用性は、不確かである。

目的:どのくらい家族歴は個々の疾患の予測をするのか?、患者の報告はどくのくらい正確なのか、primary careの母集団に対して、家族歴を集ることの有効性と逆効果を評価すること

データ源:1995年から2009年3月までのMEDLINE, EMBASE, CINAHL, Cochrane Central Register of Controlled Trials, and PsycINFOで報告された英語論文

研究の選択:2人のレビュアーが、質問-特異的な適合基準question-specific eligibility criteriaの研究を選択した。これらには、システマティックに家族歴や予防的な介入や副作用について収集をした比較介入試験と、比較のない介入試験や、家族歴や疾病頻度を評価した縦断的な研究や横断的な研究、身内の本当の疾患状態に対して、報告された家族歴が有効だった試験が含まれた。

データの抽出:標準的なプロトコルを用いることで、研究の質、状況や結果についての情報が、抽出された。

データの統合:

・2つの無比較の研究は、家族歴が何らかのアウトカムを改善するか、という疑問を評価するのに不十分な根拠を提供した。

・1つのランダム化された比較試験と、2つの無比較の研究は、家族歴をとられることで、可逆的に短期間に、何人かの患者が不安になった経験があるという弱い根拠を提示している。

・41の試験で、家族歴の定義の相違について、疾患リスクの検出度が感度で0~0.51、特異度が0.66~1.00であり、一般的な疾患の検出度の感度が0~0.83、特異度が0.48~1.00であった。

・23の研究で、身内に疾患がない場合は疾患がある場合よりも正確に報告がされ、離れた身内よりも一親等の身内の方がより正確な情報が報告された。

研究の限界:ほとんどの研究は、対象となる特異的な質問の調査のデザインをしていなかった。

結論:プライマリケアで正確に家族歴の情報をいかに正確に収集するか評価し、患者アウトカムにおける家族歴をとることの効果について、不十分な根拠で評価された。患者は身内に疾患があること以上に、疾患がないことを正確に報告するようだ。

 研究を進められた先生方に感謝。これほどあいまいなフレームを数値でだしていただけた。

 家族歴を聴取することは、その行為そのものが患者、家族にとって「不安」にさせるもので、全体的に信頼性は低いものの一般的な疾患よりも特定の疾患の方が信頼性は高く、家族歴として、「これまで病気にかかったことがない」場合の方が、何かいろいろな疾患があった場合よりも、よく覚えているようだ。

 くらいのまとめでしょうか。

 まとめても、まとまらないくらい、再度整理の必要な項目な気がする。

老年について (岩波文庫)

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