organophosphorusの行き着く先図。

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 世界で年間20万人が毎年、農薬の有機リン剤を使って自殺しているらしい(BMJ. 2007:629)。そして、胃洗浄の効果は、不明とされていた(LANCET 2008:597)。

 そこで、今年になってこのシステマティックレビューが待たれていた。

 しかし残念なことに、there is currently no high-quality evidence to support its clinical effectiveness、有用性を指示する良質な研究がなかったそうだ。

急性有機リン剤の胃洗浄の比較臨床試験のシステマティックレビュー

Systematic review of controlled clinical trials of gastric lavage in acute organophosphorus pesticide poisoning.

Clin Toxicol (Phila). 2009 Mar;47(3):179-92.

[背景]有機リン農薬(OP)による自殺は、途上国において重要な問題である。治療の指針となる臨床データは少なく、治療として確立することが困難になっている。その副作用用にも関わらず、胃洗浄がアジアでは日常行われている。その有効性を評価するために、研究を検証した。

[方法]有機リン農薬による自殺における胃洗浄の効果を評価した臨床比較試験の論文をシステマティックに検索した。

[結果]全部で56の中国の論文が確認され、洗浄液にノルエピネフリンやプラリドキシムを混ぜて使用したり、ナロキソンやスコポラミンを同時に投与したり、腹腔から胃チューブを挿入したり、農薬の摂取から12時間以上経過してから洗浄をしていたり、さまざまな胃洗浄法方法が、介入研究として、有効であったと報告されていた。23論文だけがRCTだったが、質を評価するのに適切に方法が表記されている論文はなかった。患者の母集団と研究の治療プロトコルが定義されておらず、比較群における症例の致死率に大きな乖離(4.5~93%)があり、研究間にも、研究のなかの群にも乖離が発生していた。どの研究でも胃洗浄を受けていない比較群に対しての介入を比較できる研究はなく、どのデータからも毒を取り除ける有意な数量を示すことができなかった。

[結論]アジアにおける有機リン中毒による自殺に対して、多様な胃洗浄が行われているにも関わらず、その臨床上の有用性を指示する高品質なエビデンスは現在のところなかった。今後の研究には、どのような患者に、どのくらいの期間で胃洗浄をすることが、致死的な量の毒を取り除けるのか、示すことが求められている。これらの研究につづいて、大規模な臨床試験で、急性有機リン農薬中毒における(単一の、または多様な)胃洗浄の有効性と安全性について検討する必要がある。

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カテゴリー: EBM

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